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  <    <  コロナ禍での会社設立は危険? 非常時でも失敗しない1人会社の経営とは

コロナ禍での会社設立は危険? 非常時でも失敗しない1人会社の経営とは

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新型コロナの感染拡大が収束されない状況下において起業するのは無謀と思っている方も多いのではないでしょうか。確かに飲食・宿泊・サービス業などは休業要請、営業自粛などの影響で事業の存続が危ぶまれており、経営環境については起業や会社設立に不向きな状況との指摘もされています。

 

そこで今回はコロナ禍のような非常事態での起業や会社設立に着目し、その場合に有効と考えられる「1人会社」の設立や運営について解説していきます。

 

コロナ禍での起業・会社設立が無謀かどうか、1人会社に悪環境を乗り越えられるようなメリットがあるのか、1人会社で成功するための手続や準備の進め方をどう行うか、などを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

1 コロナ禍での1人会社の設立の是非

コロナ禍での1人会社の設立の是非

 

コロナ禍での起業や会社設立、特に1人会社が適切かどうかについて、経済環境や会社設立状況などから考察してみましょう。

 

 

1-1 コロナ禍と経済環境

2019年と2020年の国内GDPを比較すれば、20年は大きく落ち込みコロナ関連の倒産企業は約800件に至りました。しかし、そのGDPも20年後半からは回復基調にあり、20年度の倒産企業数全体では前年度を下回る低水準となっており、現状での起業は無謀とは言えません。

 

①日本のGDPの現状

内閣府が発表している四半期別GDP速報(2020年10~12月期)によると2019年と2020年の値は以下の通りです。

 

単位:兆円

2019年 2020年
1-3月期 140.597 137.720
4-6月期 136.360 122.322
7-9月期 138.761 130.744
10-12月期 140.080 138.165

 

2020年のGDPは19年と比べ大幅に減少しており、コロナの影響が大きかったことが窺えます。しかし、20年の7-9月期には前の四半期に比べ7%近い回復を示し、その勢いは次の10-12月期にも見られコロナの影響を受け始めた時期の水準にまで回復しました。

 

もちろん2021年に入り第3波や第4波の感染拡大の影響が心配されるところですが、20年度の感染対策の経験を活かせば20年に見られた大幅の悪化を回避することも不可能ではないでしょう。

 

②倒産企業数

株式会社東京商工リサーチが発表している情報では、2020年(1-12月)の全国企業倒産件数は7,773件でそのうちコロナ関連の倒産は累計で792件です。

 

新型コロナの感染拡大によるインバウンド需要の消失や、外出自粛や休業要請などの影響を大きく受けた飲食業や宿泊業を含むサービス業他が2,596件(前年比1.0%増)で最多となり5年連続で前年を上回っています。

 

しかし、倒産企業数全体を見れば、7,773件という値は対前年度比で7.2%減となっておりバブル期の1989年(7,234件)に次ぐ4番目の低水準になっているのです。

 

産業別に見ると、以下のような結果になっており、10産業のうち6産業で件数が前年を下回りました。

 

小売業は1,054件(同14.3%減)
卸売業1,065件(同6.8%減)
建設業1,247件(同13.6%減)
製造業915件(同10.6%減)
運輸業227件(同10.6%減)
情報通信業279件(同22.0%減)
農・林・漁・鉱業109件(同26.7%増)
金融・保険業30件(同25.0%増)
不動産業は、前年と同件数の251件

 

コロナ禍で倒産企業が全体的に増加したかに思われがちですが、打撃の大きかった飲食業や宿泊業を含むサービス業を除けばコロナ禍の産業全体への影響はあまり大きいとは言えません。

 

逆に「巣ごもり需要」の恩恵を受けた飲食料品小売業などの小売業は3年ぶりに前年を下回るという結果になっています。従って、コロナ禍だから経営環境が全面的に悪いと判断するのは早計であり、新たなビジネスチャンスを捉える事も可能な状況なのです。

 

 

1-2 コロナ禍の会社設立の状況

政府統計のe-Stat 「登記統計 商業・法人」の「登記の種類別・資本金階級別 会社の資本金の額の変動の件数および金額」で会社設立数を確認することができます。

 

月次 設立件数
2021年2月 9,472
2021年1月 10,818
2020年12月 10,779
2020年11月 9,656
2020年10月 10,976
2020年9月 10,058
2020年8月 9,205
2020年7月 10,784
2020年6月 9,330
2020年5月 7,830
2020年4月 10,014
2020年3月 10,528
2020年2月 8,788
2020年1月 10,976
2019年12月 9,615
2019年11月 9,924

 

上表の通り、2020年の5月と2月は設立件数が大きく落ち込んでいます。各々について前年と比較すると、2019年2月は8,685件と20年よりも悪い状況で、19年5月は10,267件と20年が大幅に悪化したことが確認できます。

 

法人設立件数を見る限りにおいてはコロナ禍の影響は一部の月に見られるものの全体としては小さく、実際に会社設立する起業者への影響は大きくなっていません。

 

 

1-3 従業者規模別事業所数の実態

ここでは新規に開業した事業所の従業員数を確認してみます。総務省が令和2年12月25日に公表している「令和元年経済センサス‐基礎調査」(P7)によると、「新規把握事業所」(従来の「新設事業所」よりも幅広に事業所を捉えている)を従業者規模別に見ると以下のような結果になっています。

 

「1~4人」が32万6266事業所(合計の60.5%)と最多
次いで「5~9人」が10万81事業所(同18.6%)
「10~19人」は5万8980事業所(同10.9%)
「20~29人」は19,609事業所(同3.6%)

 

以上の結果から少人数での新規事業者が多く、この中に1人会社も多く含まれるものと推察されます。

 

また、先のe-Stat 「登記統計 商業・法人」のデータでは、資本金階級別の法人登記数を確認することが可能です。たとえば、2021年2月の月次データでは、設立登記総数は9,472件でそのうち100万円未満の設立が2,435件、100万円以上300万円未満が3,536件、などとなっており、この2つの階級(300万円未満)で全体の約63%を占めています。

 

過小の資本金額の会社設立が1人会社設立とは限らないですが、比較的なコンパクトな事業を展開している可能性は高く、1人会社の形態も多いのではないでしょうか。

 

 

2 1人会社などの形態を判断するポイント

1人会社などの形態を判断するポイント

 

ここでは1人会社を設立する場合の判断のポイントなどについて説明しましょう。

 

 

2-1 起業時の組織形態の種類と選定

起業して事業を始める場合の組織・事業の形態には、副業、個人事業、1人会社、中規模・大規模会社、などがあります。これらの特徴を起業のしやすさ、収益性、安定性や成長性などから説明します。

 

起業時の組織形態の種類

 

①副業

副業は会社などに勤務しながら許される範囲で会社職務以外の仕事を勤務時間外で行い一定の収入を得る形態です。具体的には、職務や趣味などで身につけた知識・スキルを活かして、休日などに業務を請け負い、収入を得る方法になります。

 

●起業のしやすさ

 

まず、副業の開始には、勤務先の許可が不可欠となるため事前に確認しておきましょう。その上で自分の知識・スキルの程度に合わせて仕事を見つけて始めるだけであるため、比較的容易に着手することが可能です。

 

ただし、将来の独立・事業の拡大などを検討している場合などは、計画的に副業を進めることが重要となるため着手のハードルは高くなります。

 

●安定性

 

副業で収入が十分に得られなくても会社の給与があるため生活への影響は低いです。しかし、副業で大きな借金を抱えたり赤字を出したりすると会社員として生活に影響が出て大きな負担になりかねません。

 

●収益性

 

会社勤務外の限られた少ない時間で行う場合、自ずと大きな収益を期待するのは困難です。しかし、効率的に事業を行って収益性を高めることはできます。

 

●成長性

 

副業を将来の会社運営の基礎として位置づけて業務を進めるなら成長性は期待できます。しかし、アルバイト的な感覚で業務を行う場合、成長性は気にしなくてもよいでしょう。

 

②個人事業主

個人事業主は、会社などに勤務せず自分で事業を独立して行う法人化していない形態です。既存の会社などに所属していないため、自分の事業に専念でき規模を大きくする土台作りもできます。

 

ただし、会社組織と比べ信用力の低さなどから経営資源の確保が容易ではなく成長には一定の困難が伴うことも多いです。しかし、優れたビジネスモデルを計画的に進められれば、短期間に大きな発展を遂げるケースも珍しくありません。

 

●起業のしやすさ

 

個人事業での起業は容易で、ビジネスを展開できるだけの最低限の経営資源があれば手続も簡単で直ぐに開業できます。なお、業種によっては開業に必要な資格や免許などもあるため、事前に確認して早めに取得しておくことが重要です。

 

●安定性

 

個人事業では、その事業所得がすべての収入源になるため、事業が低迷すると個人の生活に直結します。借金や事業上の債務などは個人に責任が及ぶため、事業の失敗は個人の生活に直結し負担が重くのしかかるため注意が必要です。

 

●収益性

 

一般的に個人事業では金融機関などからの借入で多くの資金を確保するのは難しいため、事業規模は比較的小さくなり収益量も小さくなる傾向があります。

 

また、法人と比べ費用計上や税金負担で不利になるケースも多く、また一定額以上の所得を得ると多額の税金を支払う恐れが生じます。

 

●成長性

 

開業後の事業の安定を図り成長への道筋をつけるプランを作って実行していけば、その後法人化し中規模事業へ発展させることは十分可能です。ただし、ビジネスモデルが平凡であったり、魅力的な事業も成行きで進めたりすれば成長は難しくなります。

 

③1人会社

株式会社などを社長一人で事業を行う形態が1人会社です。現在の会社法では取締役1名で会社を設立することができ、その者が代表取締役社長となって会社を運営するケースはよく見られます。

 

個人事業の形態と事業規模が大きくかわらないことも多いですが、信用力、将来の発展や許認可などの点で法人化は有利であり採用されるケースは少なくありません。

 

●起業のしやすさ

 

法人登記の手続が必要となるため、その手間と一定の費用がかかり個人事業に比べ起業のハードルは高いです。また、資本金は1円でも可能ですが、信用力を高めるために一定額以上の金額にする場合、その準備負担は重くなります。

 

なお、設立登記の手続には一定の時間がかかり、自分で行う場合は予想外に時間を割かれることになりかねないため事前の内容把握と準備が必要です。

 

●安定性

 

1人会社で規模の小さい事業を行う場合、比較的少ない収益でも事業を維持しやすくなります。また、スピード、身軽さや小回りの良さを活かせば環境変化にも対応でき、一定規模以上の企業よりも事業を継続しやすいです。

 

ただし、特定の取引先に依存して、環境変化への対応を怠れば経営資源が少ない分経営危機に陥りやすくなります。

 

●収益性

 

個人事業と同様です。1人会社もそのビジネスモデルや計画性の質により収益量の拡大を図ることも効率性を高めることも可能ですが、1人でできる範囲の仕事量には限界があります。

 

●成長性

 

1人会社でも事業の基盤を固めつつ、その強みを活かしてビジネスモデルのブラッシュアップや再構築を図っていけば中規模企業へと発展することは十分可能です。

 

④中規模企業

中小企業基本法では、「小規模企業者」の定義を以下のように定めています。

 

製造業その他 従業員20人以下
商業・サービス業 従業員5人以下

 

製造業なら従業員20人超、商業・サービス業なら5人超で中規模以上の企業です。

 

●起業のしやすさ

 

従業員5人超で起業するのは簡単ではなく、資本金や人材とともに運転資金や仕事量などを確保して事業を進めるための準備も必要となるため、1人会社よりも格段に起業のハードルは高いです。

 

●安定性

 

必要な運転資金を確保して仕事量を確保できるかどうかが開業時の困難さを打破するために不可欠です。中規模企業などは、事業規模が大きい分事業を順調に展開できないと経営リスクが直ぐに高まります。

 

●収益性

 

1人会社に比べ事業規模が大きいとその分収益量も大きくなることが予想されます。事業を拡大させていけば、1人会社では実現できないような収益を稼ぐことも可能です。

 

●成長性

 

小規模企業から中規模、そして大規模企業や大企業へと発展するのは簡単ではないですが、経営資源の豊富さを活かしつつビジネスモデルのブラッシュアップ、タイムリーな変更、イノベーションの実現などにより達成できます。

 

 

2-2 1人会社設立のメリット

1人会社を設立し経営していく場合、その特徴であるメリットを理解し発揮させることが重要です。

 

1人会社設立のメリット

 

①節税の可能性

1人会社の設立により個人事業主以上の節税が可能となり税負担を軽減しやすくなります。

 

個人事業主の場合、事業から得た所得には累進課税による所得税が課されます。所得が多くなるほど税率は高くなりますが、年間4千万円以上の所得の税率はなんと45%です。

 

他方、法人に対する税金は法人税と住民税などで、その 実効税率は30%程度になります(事業者により異なる)。また、法人の役員の報酬は経費になる上給与所得控除が適用されるため、個人の税負担が大きく軽減されやすくなるのです。

 

ただし、法人化しても事業収入が低い場合、上記の節税効果が生じないほか、赤字でも住民税の一部は支払わなくてはなりません。

 

②信用度の向上

一般的に法人は個人事業主より信用度が高いと見られています。たとえば、従業員一人の会社であっても法人として税務申告している事業者のほうが個人事業主より信用度が高いと評価されるケースが多いのです。

 

実際、事業とプライベートの区別がつきにくい個人事業主よりも法人の方が金融機関からの融資で有利になり、融資額も大きくなる可能性があります(事業内容や計画等で異なる)。また、仕入や販売での取引において法人の方が個人事業主より優遇されるケースも少なくないです。

 

さらに、人材確保においても就業規則を完備している法人の方が従業員にとっては安心感があり採用や離職防止の点でも有効です。

 

③事業の有限責任

個人事業主の場合、事業上の債務は経営者が負担する無限責任になります。他方、株式会社はその株式の引受価格を限度とする有限の間接責任を負う株主で構成される会社であり、その場合の事業上の債務などに対する責任は有限です。

 

もちろん社長が個人保証していれば、その内容に基づいた責任は免れませんが、最近では金融機関が社長などに個人保証を求めるケースが減少しつつあります。

 

④社会金保険への加入

個人事業主の場合、年金は国民年金保険、医療保険は国民健康保険への加入ですが、1人会社の役員なら年金は厚生年金保険、医療保険は全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)などへの加入が可能です。

 

1人会社の社長であっても社会保険の保険料は、企業と被保険者が折半で負担するため、個人の保険料支出の負担は半減します。企業はその保険料を費用として計上することが可能です。

 

⑤意思決定の迅速性

規模の大きい株式会社などでは、会社の重要事項を決定するのは株主総会や取締役会になり、それらを開催し決議するという手続が必要がとなるため、意思決定に長時間を要するケースが多くなります。

 

また、ケースによっては経営者側の提案事項が株主総会などで否決されたり、大株株主から業務に関する提案が出されたりして経営者が思うような事業展開が困難になることも珍しくありません。

 

しかし、1人会社の場合、社長一人で意思決定すれば済むため時間をかけずに資源配分を決定して事業を進められます。さらに外部株主に連絡・招集して株主総会を開催する手間もなく圧力を受けることもありません。

 

環境変化の激しい今日のビジネスにおいて経営のスピードは成功の重要なファクターになるため、1人会社のような迅速性や機動性の優れた経営は大きな武器になります。コロナ禍に対応するため、業態の変更、一時休業や撤退する場合でもその決断を迅速に下すことが可能です。

 

 

2-3 1人会社に向いている人

1人会社の特徴から判断すると、以下のような方が1人会社で設立するのが適しているでしょう。

 

1人会社に向いている人

 

①最初から大きなリスクを取りたくない方

1人会社の場合事業を展開するための経営資源の量は比較的少なく済むため、資金調達の量も少なく済み、失敗してもその分の負担は小さく済みます。たとえば、コロナ禍で事業を撤退する場合でも投資量が少ない1人会社なら傷口を小さく済ませ再起も図りやすくなるはずです。

 

また、個人事業と違って株式会社の設立なら債務は有限責任となるため、倒産した場合でも個人保証しない限り個人負担を気にする必要がありません

 

②少ない資源でコンパクトなビジネスから始めたい方

起業時の経営資源が少ないため小規模な事業から取り組んでいきたい方に1人会社は適しています。

 

多人数の従業員を雇い小規模以上の内容で事業を始めると、そのために必要とする経営資源の確保や運転資金は多くなり、それを賄うための仕事量の確保も難易度が上昇します。

 

経営資源の量が少ない会社の場合事業は小さくなりますが、資源の準備や仕事量の確保の点で経営の難易度は低くなり成功もしやすいです。

 

③迅速な経営で勝機を掴みたい方

社長一人だけの会社なら自分の考えを即座にビジネスに反映できるため、ビジネスチャンスを逃さずタイムリーな事業展開が可能です。

 

外部株主が多い、共同出資者が複数いる会社では重要事項の決定は株主総会や取締役会の決議を経ることになるため、一定の時間を要することになり、機動的な経営が難しくなります。

 

投資や取引の決定が遅れることでビジネスチャンスを失うこともあるため、創業期に迅速な経営を目指す場合1人会社は有効な組織形態です。

 

④他者からの圧力を受けず自分の考える経営をしたい方

創業当初は特に自分の考えるビジネスを推し進めたい方は1人会社が適しています

 

外部株主や共同出資者が存在すると彼らの考えを尊重して、自分の考える経営と異なる事業内容を進める必要性も生じてきます。利益の配分や事業の方向性などについて彼らの考えに配慮することも必要ですが、要求が過大になり自分の考える経営が困難になることも少なくないです。

 

多数の株主や複数の共同出資者等は資金や知識・スキル・情報などにおいて強い味方になる一方、経営上の足かせになることもあるため注意しなくてはなりません。

 

 

3 1人会社を設立する際の重要点

1人会社を設立する際の重要点

 

1人会社の強みを活かすために、その設立において注意しておきたいポイントを説明しましょう。

 

 

3-1 会社設立の手続への対応

1人会社でも法人登記や役所等への届出といった手続が多くあるため、こうした手続をどう処理するかを早めに決めて適切に実行することが望まれます。

 

中規模企業等と比べると1人会社の各種の手続における負担は小さいですが、個人事業主よりは手続に関する負担は小さくありません。また、登記や届出等で間違いや遅れが生じれば、開業の時期に影響が出るため、事前に内容を把握して処理することが求められます。

 

発起人・創業者が一人でそうした手続を進めることも可能ですが、内容を把握して手続に必要な申請書や各種資料の準備を進めるには少なからぬ時間が必要です。

 

創業前後の忙しい時期に手続作業に多くの時間を割かれると他の事業の準備に影響がおよびかねないため、手続は司法書士、行政書士などの専門家を活用することも検討しなければなりません。

 

発起人・創業者に手続を自分で進めるだけの時間が十分にあれば、勉強を兼ねて自身で行うのもよいでしょう。逆に時間の余裕がない場合は費用をかけても「全面的に専門家に依頼する」ことも必要です。

 

時間はあまりかけたくないがコストも低く抑えたい場合は、手続の「一部を専門家に依頼する」方法が有効になります。専門家を活用する方法は会社設立後の経営でも有効になるため、一部でも活用するのは決して無駄になりません。

 

 

3-2 手続に関する費用

法人登記や各種の届出などでは法的な費用のほかに専門家に手続を依頼した場合の手数料といった費用がかかります。これらの費用は手続の仕方によって多少差が生じたり、削減できたりすることもあるため、費用を抑えるためには事前に内容を把握しておくことが重要です。

 

①株式会社の設立登記の最低費用

発起人・創業者が書面で法的手続する場合には以下のような費用がかかります。

 

●公証役場(定款の認証)

 

定款認証手数料:50,000円
定款印紙代:40,000円⇒電子認証対応なら0円
定款謄本代:2冊で2,000円程度(250×枚数)

 

●法務局(登記申請)

 

登録免許税:50,000円(または資本金の1,000分の7のいずれか大きい方)
登記事項証明書代:1通600円
印鑑証明書代:1通450円

 

合計:243,050円(電子認証対応なら203,050円)
*提出者が自分で電子定款(PDF)を作成し送信して認証を受ける場合、紙による申請が不要になることから印紙代4万円がかかりません。ただし、ICカードリーダライタの用意や電子証明書の取得(ソフト代等)などで手間と費用(約7~10万円)がかかります。

 

*上記の費用は司法書士などへの手数料は含みません。

 

②専門家に設立登記を依頼した場合の手数料

司法書士に依頼する場合の手数料の相場は、株式会社で7万円~10万円程度、合同会社で6万円~9万円程度が多いです。なお、司法書士の多くは電子定款に対応しているため、その場合は定款印紙代4万円が不要になります(要確認)。

 

司法書士は定款の作成、必要書類の準備、公証役場や法務局での手続などを代行してくれますが、サービス内容は個々に異なるため確認が必要です。なお、会社設立を代行している事業者(士業等が運営)が低い手数料でサービスを提供しているケースも多く見られます。

 

価格の安いサービスでは、定款作成などの手間のかかる部分は代行業者が行い、細かい作業(印鑑証明書や法人印鑑などが準備等)は申請者が行う、などの内容となるケースが多いです。

 

たとえば、「電子定款や設立書類の作成」「公証役場への訪問」「法務局への登記申請」を手数料3万円で実施する代行業者などが見られます。このように手続について申請者が行う範囲が多くなればその分代行業者の手数料を低く抑えることが可能です。

 

 

3-3 手続のスピード

設立登記等の手続を申請者が自分で行う場合、慣れない作業のため長時間を要することになりかねません。そのため手続に関する時間について以下の点を特に注意しておきましょう。

 

●定款作成

 

定款は株式会社の基礎事項を定めた「ルールブック」と言えるもので、法務局に提出しますが、作成を経験していないと多くの時間を費やす可能性が高いです。

 

企業規模が小さく作成の要領を把握できていれば短時間で作成することも可能ですが、作成のための確認や準備に時間を取りにくい方は専門家に手伝ってもらうのが望ましいでしょう。その場合は作成時間を大幅に短縮できます。

 

なお、申請者が自分で定款の原案を作成する場合、企業規模が小さく作成の時間の取れる方なら最短で1日、それ以外の方などでは7日~10日程度の日数が必要です。

 

●定款認証

 

公証役場で定款を認証してもらう手続がありますが、いきなり認証してもらうのではなく事前に内容をチェックしてもらうのが通例になっています。

 

公証役場の担当官は「公証人」と言い、役場に連絡して公証人にチェックしてもらえるように依頼します。その際に作成した定款の原案をファックスやメールなどで送付するように指示され、その後役場でチェックされるのです。

 

通常、役場でのチェックには2~3日程度が必要で、確認後は公証人から連絡があり、修正事項などが指摘してもらえます。指摘された点を修正して問題がなくなったことを確認できれば、定款の登録作業に移れるため、以下のものを準備して公証役場へ出向きます(指定された日)。

 

定款
発起人全員の印鑑証明
収入印紙代(電子定款は不要)*電子定款の場合はCD-R 1枚
公証人への手数料(5万円)
定款のコピー代(約2千円)
委任状(発起人全員がいけない場合等)

 

公証役場での登録作業は約2~3時間程度です。

 

●法務局での登記

 

登記申請をしてからその審査が完了するまでには一定の時間がかかります。その所要時間は各法務局や申請時期によって異なるため注意が必要ですが、1~2週間程度かかるケースが多いです。

 

各法務局の登記完了予定日はWEBで公開されているため、事前にその時期の所要日数をある程度把握できます。東京法務局各庁は下記のURLです。

 

houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/static/kanryoyotei.htm#RANGE!A61

 

 

4 1人会社で成功する方法

1人会社で成功する方法

 

ここでは1人会社でその特徴を活かしながら事業を成功するための方法を紹介しましょう。

 

 

4-1 ビジネスの基盤の確立

1人会社に関係なく起業してからの最も重要な課題はビジネスを安定させ成長への軌道に乗せることです。特に1人で事業を開始する場合、業務で対応できる範囲は限られるためその点を考慮した効率的な行動が求められます。

 

ビジネスの基盤の確立

 

①ビジネスモデルの安定化

まず、自分が想定している事業を問題なく遂行できることが重要です。ターゲットに対して、彼らの望むモノ・コトを自社のビジネスとして提供して費用を上回る対価を回収していける仕組みを確立しなければなりません。もちろんビジネスには競争が伴うためライバルに勝てることも必要です。

 

自社のビジネスモデルを実現していくためには、業務レベルのプロセスやフローなどでやるべきことを把握して、モデルの価値を各業務に落とし込んで遂行することが求められます。

 

そして、問題点を改善しながら各業務プロセスをブラッシュアップさせていきビジネスシステムとして完成させることが必要です。成り行き任せの事業運営ではなく事業の仕組みを作り磨く取り組みが欠かせません。

 

②セルフマネジメント

1人の会社であるため、自分の思った経営ができる一方、経営全般において運営が成行になったり適当になったりすることもあるため、自らを厳しく管理することが重要です。

 

好きなことや得意なことには時間を多く割き積極的に取り組めば、良い結果も得られなくなります。しかし、その一方で苦手なこと、嫌いなことにはあまり時間を取らず消極的な対応になりがちです。その結果、問題を見逃したり、小さな問題を大きく悪化させたりすることになりかねません。

 

営業や販売での活動が得意でも資金繰りや会計業務などの管理を怠れば、資金ショートで倒産危機を招くこともあります。逆に会計業務などが得意でも顧客を増やす活動が消極的になるなら事業の成長は難しいです。

 

商品・サービスの供給プロセスの管理ができていないと、その供給を担う人や機械などでトラブルが起こりやすくなり、供給に支障をきたす可能性を高めてしまいます。

 

自分一人ですべての業務プロセスを完璧にこなすのは容易ではないですが、定期的に各プロセスをチェックし問題の芽を早期に摘み取るというマネジメントが必要です。

 

③的確な経営資源の確保

自社ビジネスを安定させ、経営環境の変化に対応できるようにするためには、資金調達、仕入先・販売先、人材、などの経営資源を的確に確保しなければなりません。

 

一人では仕事量に限界があり、自社を大きくさせていくには事業の拡大に合わせた経営資源の計画的な確保が必要になります。たとえば、従業員を増やして彼らを有機的に連携・活動させることができれば、単に人数分だけでなく相乗的な仕事の成果を得ることも可能です。

 

また、仕入先や販売先を増やしていければ収入がアップするとともに不況などの時にはリスクの分散化が図れて不況の影響を低減できます。もちろん経営資源を拡大することでトラブルに巻き込まれる可能性も高まりますが、成長のためには一定のリスクを許容することも必要です。

 

 

4-2 1人会社の強みの発揮

1人会社で成功するためにはその強みを活かしたビジネス展開が求められます。

 

1人会社の強みの発揮

 

①小さく有利に始める

事業を小さく始めることで創業時の資金などの資源の確保にかかる時間を少なくして、円滑なスタートダッシュで事業機会を捉え事業を早期に軌道に乗せるべきです。

 

創業で成功するには、創業時のビジネスチャンスを逃さないことが重要になりますが、そのためには創業の準備や創業後の事業の安定に時間をかけることができません。規模の大きい企業ほどそうした対応に時間が必要になってきますが、1人会社ならその負担は小さくなります。

 

資源量が小さな1人会社でも事業環境が有利な時に創業して円滑なスタートダッシュを決めれば、事業を安定化させることも困難ではありません。一定の事業規模にこだわり、資源の確保の準備に時間を取られ過ぎてビジネスチャンスを逃すことのないように注意しましょう。

 

②スピードで機会を捉える

科学の発展に伴う各種の新技術の誕生、法律・規制の施行・変更、消費者や事業者のニーズの変化、パンデミックや地震・台風などの災害の発生といった事象で事業環境が大きく激変するケースは珍しくありません。

 

そんな環境変化の激しい現代において、経営の迅速性は強い武器になりますが、1人会社ならそれを活かすことが容易です。外部株主からの圧力や共同出資者などとの意見調整といったことで時間が取られることはなく、自身の判断を即実行に移せる魅力が1人会社にはあります。

 

もちろん思い付きや思慮の浅い判断などである場合はリスクを招くことになりますが、一人でも経験者や専門家などの意見や情報を得て適切に評価して経営判断を下すことは可能です。

 

事業を取り巻く様々な要素に目を配り変化や新たな出現といった状況を把握する、それらの状況に関する情報を多く集め分析・評価する、といった取り組みが現代の経営に求められます。

 

そして、その状況が機会になるのか、脅威になるのか、それらに対応するための資源があるのか、どの強みを使いどの弱みを克服すべきか、などについて時間をあまりかけずに検討できることが必要です。もちろん一人でできない場合は、経営を支援してくれる専門家や機関を活用するようにします。

 

現在、コロナ禍で消費者や事業者等のニーズや行動様式に大きな変化が見られるため、それに合わせた業態へ迅速に変更する、現事業から撤退し新たな事業を開始する、といったスピーディーな対応が求められているのです。

 

専門家などの協力を得ながら時代の変化に即応できるプランを迅速に作り実行に移すことも、1人会社ならそれほど難しくはありません。

 

③独自の視点でニーズを満足する

外部株主がいない取締役が1人の会社の場合、経営者の独自の視点からターゲットのニーズを捉える事業の展開も容易です。

 

優れた独創的なアイデアを事業化する場合、経営者が複数人いると反対者や内容の変更を求める者などが現れやすく、その魅力的なアイデアの価値を下げることになりかねません。

 

もちろん複数人の経営者がいた方がより価値の高い、より安定的な事業を進められるケースも多いですが、やり方によっては無難な方向性が重視され平凡な事業になる可能性も低くないです。平凡な事業は競争優位を獲得することが難しく事業の安定化や成長の加速を望むことができなくなります。

 

また、創業者がやってみたかった商品開発や、思い描いていたサービスの提供などが他者の意見により実現できなくなっては起業の意味がなくなりかねません。

 

1人会社という少ない経営資源で他社との競争に勝ち抜き事業を推進していくには、差別化できる独創的な商品・サービスの提供が重要になります。もちろん独創的といってもあくまでターゲットのニーズを捉えられるビジネスが前提です。

 

他の会社などでほとんど提供していない商品・サービスの開発、ターゲットがより喜んでくれる提供方法、購入した後の不安を解消するアフターケアの実施、購入前でも後でも使用方法や修理等での相談対応、利用者が求めるポイントなどの利益還元、といった視点がビジネスに求められます。

 

④小回りを利かして勝機を掴む

小規模企業には大規模企業にはできにくい小回りを利かした事業展開が可能であり、それが成長するための基盤づくりにも有効です。

 

1人会社は経営資源が限られるため、提供できる商品・サービスの種類や量では大規模企業に敵いません。特にスケールメリットを活かした事業展開は困難であり、大手に勝つのは至難の業です。

 

大手が参入するには需要が少ない、手間がかかり過ぎて利益を出しにくい、大手のブランドとして適当でない、といったニッチな市場は少なからず存在します。大手では対応できにくくても1人会社なら小回りを利かしてそれらのニーズを捉え利益を生むことができるのです。

 

大規模で自動化された高度な設備・機械などを投入しなくても、汎用の設備等を駆使し熟練した作業スキルを活かせばニッチな需要でも事業を持続させられます。また、そうした需要に対して独自のアイデアを活かして利用者も気づかない性能やサービスを付加していけば他社との差別化も可能です。

 

そのために自社の経営資源の強み・弱みの棚卸を行い評価して、自社事業のポジショニングを行いどういう市場でどのようなビジネスのやり方をすれば限られた資源でも優位に立てるかを模索していきます。

 

そして、そうした事業での小さな成功を積み重ねて経営方法と資源の質・量を徐々に高めていき、次の成長段階に合わせた事業展開を進めましょう。

 

 

4-3 外部の力を有効活用

1人会社が事業の基盤を作り成長を進めて行くには、外部資源の有効活用が欠かせません。

 

事業の安定化や早期の基盤づくりには、できるだけ少ない費用・資金支出で一定の収益を確保することが重要です。そして、それを持続的な経営システムとして確立していくことが求められます。

 

迅速に安定した事業運営および利益を確保するためには、固定的な費用を多くしないことが重要となり、業務の外注化(アウトソーシング)の活用が有効になってくるのです。

 

創業時には生産・販売の安定化に経営者は時間が取られるため、会計業務などは部分的あるいは全面的に専門の事業者へ依頼するのも悪い選択ではありません。また、生産や販売の面でも自社だけで能力不足であれば販売委託先等を配置・増設することも必要です。

 

経営全般に関する問題や悩みを相談したい場合は、公的な支援機関(中小企業支援センターや商工会・商工会議所等)や税理士等が活用できます。資金調達に関する問題では支援機関のほか、日本政策金融公庫(政府系金融機関)や中小企業投資育成会社などを利用することも可能です。

 

ほかにもベンチャーキャピタル(VC)のような投資会社や、ベンチャー企業との連携を求める大企業などから資金提供、技術提携、情報提供や経営支援などを得る機会も少なくありません。

 

事業を成長させ企業を大きく発展させていくには外部の力を上手く活用することが有効であり、彼らとの繋がりが増えるほど事業の成功確率は高まり成長を加速させることになるでしょう。

 

 

4-4 資金調達の有効手段

開業を円滑に進め少しずつでも事業を拡大させていくにはその時々に応じた資金の確保が欠かせません。ここでは1人会社が成長していくための資金調達の代表的な有効手段を紹介します。

 

①補助金・助成金等の活用

創業や中小企業の経営を支援するための国や地方自治体等の施策の中でも資金調達面の支援策は多く補助金・助成金の提供も少なくないです。

 

補助金と助成金の両者は区別されることもありますが、両者はともに国、地方公共団体のほか民間団体から提供される返済不要の資金です。従って、融資と違って利息をつけて返済するという義務がないため、提供される側にとっては有難い資金調達の手段になります。

 

この補助金等の中には創業時に利用できるもののほか、開業後から事業を拡大させていく過程で利用できるものの多いです。また、コロナ禍での支援として活用できるものもあります。

 

1)創業補助金(助成金)

創業補助金は、創業時に必要とされる経費の一部を、国や地方公共団体が補助してくれる制度のことです。東京都(東京都中小企業振興公社)の場合では「創業助成金」として、以下のような内容で提供されています。

 

●対象者

 

⇒都内で創業を予定する方または創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件(※)を満たす方
※「TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者」「東京都制度融資(創業)利用者」等

 

●助成対象期間

 

⇒交付決定日から6カ月以上2年以下

 

●助成限度額

 

⇒上限額300万円 下限額100万円

 

●助成率

 

⇒助成対象と認められる経費の2/3以内

 

●助成対象経費

 

⇒賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費

 

2)事業承継・引継ぎ補助金

 

この補助金では、事業再編や事業統合を含む経営者の交代を契機に経営革新等を行う事業者へその取り組みにかかる経費の一部が補助されます。また、専門家を活用するタイプの場合、譲渡側・譲受側双方の士業専門家の活用に必要な費用の補助を受けることが可能です。

 

●対象者

 


・経営者交代型
事業承継(事業再生を伴うものを含む)を行う個人および中小企業・小規模事業者等(一定の要件あり)
例:事業承継を契機として、経営革新等に取り組む、または、事業転換に挑戦する者

 

・事業再編・事業統合支援型
事業再編・事業統合等を行う個人および中小企業・小規模事業者等(一定の要件あり)
例:事業再編・事業統合等を契機として、経営革新等に取り組む、または、事業転換に挑戦する者

 

●補助内容

 

A 事業承継・引継ぎを契機とする新たな取組や廃業にかかる費用の補助

 

・経営者交代型:親族内承継等により経営資源を引き継いだ事業者への支援
⇒補助率:1/2、補助上限額250万円、上乗せ額(廃業を伴う場合)+200万円

 

・M&A型:M&A(株式譲渡・事業譲渡等)により経営資源を引き継いだ事業者への支援
⇒補助率:1/2、補助上限額500万円、上乗せ額(廃業を伴う場合)+200万円

 

B 事業引継ぎ時の士業専門家の活用費用の補助
・専門家活用型:補助率:1/2、補助上限額250万円、上乗せ額(売手のみ)200万円

 

●利用・申請方法

 

本補助金の申請では、応募者による経営革新等の内容や補助事業期間を通じた事業計画の実行支援について、認定経営革新等支援機関の確認を受けることが要件となっています。

 

3)小規模事業者持続化補助金<一般型>

 

小規模事業者等が、地域の商工会議所または商工会の助言等を受けて経営計画を作成し、その計画に従って地道な販路開拓等に取り組む場合その費用の2/3が補助されます。

 

●対象者

 

⇒商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる「小規模事業者」(中小企業基本法の定義による)および、一定の要件を満たした特定非営利活動法人

 

●補助上限額

 

⇒50万円

 

●対象事業

 


(1)地道な販路開拓等(生産性向上)の取組
(2)業務効率化(生産性向上)の取組

 

●対象経費

 

⇒機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、設備処分費(補助対象経費総額の1/2が上限)、委託費、外注費

 

4)キャリアアップ助成金(正社員化コース)

 

「キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者 などの非正規雇用労働者についてその企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。

 

この制度の「正社員化コース」では、就業規則等に基づき有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した際に助成が受けられます。

 

●支給額

 

A 有期→正規:1人当たり57万円<72万円>(42万7,500円<54万円>)
B 有期→無期:1人当たり28万5,000円<36万円>(21万3,750円<27万円>)
C 無期→正規:1人当たり28万5,000円<36万円>(21万3,750円<27万円>)

 

*< >は生産性の向上が認められる場合の額、( )内は大企業の額

 

*A~C合わせて、1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は20人まで

 

*対象となる労働者には、「同一の組織単位において6カ月以上の期間継続して直接雇用されている、派遣就業している」などの要件があるため注意が必要です。

 

②公的融資制度の活用

個人が起業・会社設立する際に民間の金融機関から融資を受けるのは容易ではないですが、公的機関等からの融資なら十分期待できます。ここでは公的な融資制度を簡単に紹介します。

 

1)新創業融資制度

 

日本政策金融公庫の国民生活事業では、新たに事業を始める者や事業を開始して間もない者へ無担保・無保証人で利用できる融資サービスを提供しています。

 

●対象者

 

・対象者の要件:
⇒新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方

 

・自己資金の要件:
⇒新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定資金)を確認できること 等

 

●資金使途

 

⇒新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金

 

●融資限度額

 

⇒3,000万円(うち運転資金1,500万円)

 

●利率

 

利率は借入の条件(担保や保証人の有無など)等に異なりますが、条件により1%台の利率になる可能性があります。

 

2)保証協会付き融資

 

信用保証制度は、行政の特定の目的に実施される施策に関連して、企業の資金調達を手助けするために信用保証協会が企業の債務保証を行い金融機関から融資が受けられるようにする仕組みのことです。

 

本制度は基本的には中小企業等、金融機関と信用保証協会の三者が当事者となりますが、これに自治体が加わることもあります。創業に関連した融資制度もあり、東京都には「東京都中小企業制度融資」が用意されています。

 

東京都中小企業制度融資(創業融資)

 

●対象者

 

⇒都内に事業所があり、東京信用保証協会の保証対象業種を営む中小企業者(以下のいずれかに該当する必要あり)
A 現在事業を営んでいない個人で、創業しようとする具体的な計画を有している者
B 創業した日から5年未満である中小企業者等
C 分社化しようとする会社または分社化により設立された日から5年未満の会社

 

●融資内容

 

⇒3500万円(融資対象Aについては、自己資金に2,000万円を加えた額の範囲内)

 

●返却期間

 

⇒設備資金10年以内(据置期間1年以内を含む)、運転資金7年以内(据置期間1年以内を含む)

 

●融資利率

 

対象者や金利のタイプ等に異なりますが、固定金利の場合1%台後半から2%台半ば程度です。
なお、融資利率のほかに保証料が必要となるため確認しておきましょう(通常の保証協会の保証料よりも都が補助しているため低い)。

 

3)女性・若者・シニア向け融資

 

女性・若者・シニアを対象とした融資制度が自治体等で提供されています。

 

A 日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」

 

●対象者

 

⇒女性または35歳未満か55歳以上の方であって、 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方

 

●融資額

 

⇒7,200万円(うち運転資金4,800万円)

 

B 東京都の「女性・若者・シニア創業サポート事業」

 

●対象者

 


・女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)で、都内における創業の計画がある方または創業後5年未満の方(NPO等も含む)

 

・地域の需要や雇用を支える事業

 

●融資額

 

⇒1,500万円以内(運転資金のみは750万円以内)
*固定金利1%以内、無担保、返済期間10年以内、据置期間3年以内
*保証人(法人は代表者個人または不要、個人事業主は不要)

 

以上の補助金・助成金や融資のほか、VC等からの資金提供やクラウドファンディングの利用なども有効な資金調達手段になり得ます。

 

③新型コロナ関連の支援策

経済産業者や各自治体などから新型コロナによって影響を受けた事業者への支援策も多く提供されています。資金繰り、設備投資・販路開拓、経営環境の整備など幅広い目的で融資や補助金などが用意されているため確認してみてください。

 

特に以下の支援策は創業してあまり時間を経過していない企業にも有効です。

 

  • ・月次支援金
  • ・一時支援金
  • ・事業再構築補助金
  • ・持続化給付金
  • ・家賃支援給付金

 

ほかにも東京都などでは独自の支援策も提供しています(期間限定あり)。

 

  • ・営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金
  • ・中小企業等による感染症対策助成事業
  • ・業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業

 

など多数

 

 

5 1人会社を設立する場合の注意点

1人会社を設立する場合の注意点

 

最後に1人会社で失敗しないための注意点を説明しましょう。

 

5-1 万が一の時の対応

一人で会社を切り盛りしている場合、自身が病気や怪我をして業務を遂行できなくなれば、即会社は倒産の危機に晒されます。

 

事業が一定の規模になるまでは従業員を雇わない、役員を増やさない、などといつまでも一人の状態を継続していくと上記のように病気等で仕事から離脱することになれば直ぐに会社の事業は回らなくなるでしょう。

 

また、離脱期間が比較的短期間でもその間の業務が滞れば、販売先や仕入先に迷惑をかけてそれを通じて客を失う恐れも生じます。一旦、顧客が離れたり、取引先との繋がりが途切れたりすれば、それを元通りに回復させるのは容易ではありません。

 

こうしたリスクを低減するためには、自身がいなくても業務を回してくれる従業員や役員などが必要になります。そうした業務をしっかり行えるように従業員等を教育しておけば、万が一の時の離脱に不安を感じることもなくなるはずです。

 

 

5-2 業務量の調整

創業から当面の間は一人で会社を運営しようとして、自身で何でもかんでも仕事を抱えるとオーバーワークになり、病気や怪我に繋がりかねません。また、オーバーワークはかえって業務効率が悪くなるほか、ミスの増加にも結び付くため、仕事のし過ぎには注意が必要です。

 

会社の経営や業務遂行に関わる仕事は多様で量も多くなるため、社長一人ですべてこなすのは悪い結果を招きかねません。そのため社長は経営面と重要な業務に集中して、日々の会計業務などはアウトソーシングの活用も必要です。

 

日々の販売・生産・仕入などの業務については従業員、パートや派遣社員などを雇い社長が不在でも滞らないようにしておけば、社長の負担は大幅に軽減できます。

 

事業の費用負担を抑えるために、いつまでも従業員等や外注などの力を借りずにいるとかえって経営や業務の質が悪化し量もさばけなくなるため注意しましょう。

 

 

5-3 1人会社設立の主なデメリット

1人会社の設立により以下のようなデメリットが生じ得るため、その影響の程度認識した上で設立の判断や運営を行うべきです。

 

1人会社設立の主なデメリット

 

●社会保険の負担

 

法人化すると社会保険の適用事業所となるため、1人会社でも自身の社会保険への加入が義務付けられます。被保険者としての支払いは半分で済みますが、会社も残りの半分を負担しなければなりません。

 

会社負担は経費にできますが、現金支出にはかわりないため、収益が十分でない状況下では厳しくなります。さらに従業員が増えれば、人数分の負担はかなり重たくなるため、法人化や従業員の増大のタイミングはキャッシュフローの状態などを十分に把握して行うべきです。

 

●会計業務の増加と税理士等を活用する場合の費用

 

法人の会計処理は個人事業主以上に複雑になり、決算や確定申告などでの作成書類も多くなることから税理士等の専門家に依頼するケースが多く見られます。

 

日々の会計処理から決算や確定申告までの会計業務を外部に丸投げするケースも多いですが、依頼する作業量に応じて費用も多くなるわけです。コア業務に集中するためにはやむを得ない面もありますが、キャッシュアウトの量を考えた利用が重要になります。

 

●赤字でも住民税の支払い

 

法人化すれば、消費税のように所得と関係なく課税される税金が発生します。具体的には法人住民税の「均等割」です。法人住民税の「均等割」では、法人の資本金と従業員の数に対応した一定の税金が課税されます。

 

課税条件は自治体により多少異なり、差が生じるため所在地の法人住民税を確認しておくのも良いでしょう。たとえば、東京都では資本金1,000万円以下で従業員50人以下の法人の場合(特別区のみに事業所等を有する法人)の均等割は7万円の課税です。

 

 

5-4 相談相手の確保

事業の拡大、多額の設備投資、新規事業の開発、他社との業務および資本の提携やM&A、多額の資金調達、など会社経営に関する重大事項について相談できる相手を確保し利用できる状態にしておくことが望まれます。

 

1人会社は社長の考えを即行動に移せる機動力が強みですが、自身の判断が常に正しいとは限りません。経営や事業に多くの知識などが必要となりますが、それらを一人の経営者が持つことは不可能に近いでしょう。

 

そのため必要に応じて専門の知識や技術などをその分野のプロや経験者等から教授してもらい経営に役立てる必要があるのです。そうした専門家等の支援をタイムリーに得るには日頃から彼らとの繫がりを持ち相談できる相手を確保しておくことが重要になります。

 

中小企業支援センターや商工会等の公的支援機関などのほか、税理士・弁護士などの士業の専門家、金融機関や取引先などの中から信頼できる相談者を見つけましょう。

 

 

6 まとめ

まとめ

 

1人会社には、会社設立の容易さ、設立後の経営維持のしやすさ、大規模会社などにはない迅速性や機動性(小回り)、などがあり環境変化が激しく厳しい状況でも対応しやすい魅力があります。コロナ禍といった非常時でも1人会社はそうした強みを発揮しやすいのです。

 

他方、1人会社は少ない限られた資源で事業を運営することが多いため、成長させるのは容易ではなく一人で事業を回す負担も小さくありません。自身が病気などになれば事業はストップし、倒産の危機に直面するほか、復帰後に前の状態へ回復させるのも簡単ではないです。

 

このように1人会社にはコロナ禍でも対応できるメリットもあれば、直ぐに撤退へと追い込まれるデメリットもあるため、運営の仕方や中規模企業等への組織形態の変更などを状況に合わせて検討するようにしてください。


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