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  <    <  国際収支の基礎知識〜収支決算書の書き方も解説〜

国際収支の基礎知識〜収支決算書の書き方も解説〜

ニュースや新聞で目にする「国際収支」という言葉ですが、みなさんはどんな意味かご存知でしょうか?
「経常収支」「貿易収支」などの言葉とどこかどう違うのでしょうか。知っているようで知らなかった国際収支の基礎知識を解説します。

 

 

1.国際収支とは

国際収支とは、「一定期間における」「居住者と非居住者間で行われた」「受取や支払が発生する国際取引」の収入と支出の結果です。

 

 

1-1 国際収支は主に3種類

国際収支は大きく分けると①経常収支、②金融収支、③資本移転等収支の3つに分けることができます。

 

(国際収支の内訳)

経常収支 ①貿易収支
②サービス収支
③第一次所得収支(所得収支)
④第二次所得収支(経常移転収支)
(金融収支に計上される取引以外の)居住者・非居住者間で債権・債務の移動を伴う全ての取引収支
金融収支 ①直接投資
②証券投資
③金融派生商品
④その他投資
⑤外貨準備
金融資産にかかる居住者と非居住者間で債権・債務の移動を伴う取引の収支
資本移転等収支   対価の受領を伴わない固定資産の提供や債務免除、非生産・非金融資産の取得処分などの収支

(財務省ホームページより)

 

簡単に言うと、外国とのモノやサービスの取引での結果が経常収支に示されます。

 

投資や融資の取引は金融収支に示され、それ以外の資産のやりとりが資本移転等収支に示されることになります。

 

 

1-2 経常収支

国際収支の中でも経常収支は特に目にする機会が多い項目です。外国とモノやサービスの取引の結果を示しており、国内企業の経済活動の状況が反映されているため、特に重要な指標と言えます。

 

経常収支は大きく分けると①貿易収支②サービス収支③第一次所得収支(所得収支)④第二次所得収支(経常移転収支)の4つに分けることができます。

 

(経常収支の内訳)

貿易収支 財貨の輸出入の収支
貿易収支=輸出額―輸入額
サービス収支 サービス取引の収支

  • 輸送:国際貨物、旅客運賃の受取・支払
  • 旅行:訪日外国人旅行者・日本人海外旅行者の宿泊費、飲食費等の受取・支払
  • 金融:証券売買や金融取引等に係る手数料等の受取・支払
  • 知的財産等使用料:特許権、著作権等の使用料の受取・支払
第一次所得収支
(所得収支)
対外金融債権・債務から生じる利子配当金等の収支状況

  • 直接投資収益:親会社と子会社との間の配当金・利子等の受取・支払
  • 証券投資収益:株式配当金および債権利子の受取・支払
  • その他投資収益:貸付・借入、預金等に係る利子の受取・支払
第二次所得収支
(経常移転収支)
居住者と非居住者の間の対価を伴わない資産の提供にかかる収支(官民の無償資金協力・寄付・贈与)

(財務省ホームページより)

 

貿易収支は、財貨の輸出入の収支を表すもので、この言葉もよくニュースや新聞で目にします。貿易収支は、輸出額から輸入額を差し引いたもので、輸出額の方が輸入額より大きければ、貿易収支は黒字となり、いわゆる「貿易黒字」と呼ばれます。反対に輸入額の方が大きければ「貿易赤字」となります。

 

製品や原材料などの売買や、商品の加工修理など、物品の取引を示すもので、GDP統計の外需部分(財貨・サービスの純輸出)とほぼ一致します。

 

サービス収支は、観光や貨物輸送などサービス取引の収支を示したものです。従来は日本から海外に旅行に出かけて、海外で消費活動をすることが多かったですが、近年では海外から日本への旅行客が増え、インバウンド消費として国内での消費活動が増加しています。また海外からの特許収入等の増加で知的財産による黒字も増加しています。

 

第一次所得収支は、2013年までは所得収支と呼ばれていました。対外金融資産・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示します。円高の影響で日本の製造業を中心に海外への直接投資が増加し、直接投資収益が増加しています。また国内金利の低下もあり、海外債券への投資が増加しており、それに伴う証券投資収益が増加しています。

 

第二次所得収支は、2013年までは経常移転収支と呼ばれていました。海外への協力援助資金や国際機関への分担金など、居住者と非居住者の間の対価を伴わない資産の提供にかかる収支状況を示しています。

 

 

1-3 金融収支

金融収支は、金融資産に関するかる居住者と非居住者の債権・債務の移動を伴う取引の収支状況を示します。

 

金融収支は大きく分けると①直接投資②証券投資③金融派生商品④その他投資および外貨準備の合計の4つに分けることができます。

 

(金融収支の内訳)

直接投資 直接投資活動の収支(10%以上の株式取得)
株式取得・再投資収益・資金貸借が含まれる
証券投資 株式やその他の負債性証券の収支(「直接投資」「外貨準備増減」を除く)
中長期債および短期債が含まれます。
金融派生商品 オプション取引・先物および先渡し取引、ワラント、通貨スワップの元本交換差額、金利スワップの取引にかかる利子等の収支
その他投資および外貨準備 「直接投資」「証券投資」「金融派生商品」に該当しない全ての資本取引の収支
通貨当局の管理下にあるすぐに利用可能な対外資産の増減

 

(資本移転等収支の内訳)

資本移転 固定資産の取得または処分に係る資金の移転、固定資産の所有権の移転、債権者による債務免除の収支
その他資産 非生産性金融資産の収支
特許権、著作権・商標権・譲渡可能な契約・大使館あるいは国際機関による土地の取得・処分

 

 

1-4 国際収支の考え方

国際収支とは経常収支と経常外収支の合計を示します。外国との取引で支払うお金より受取るお金が多ければ、国際収支は黒字になります。反対に支払うお金の方が多ければ国際収支は赤字になります。日本国内で製造された自動車が外国でたくさん売れると、貿易収支(経常収支)は黒字になります。

 

国際収支=経常収支+経常外収支(金融収支+資本移転等収支)

 

経常収支+経常外収支+外貨準備高増減+誤差脱漏=0

 

経常収支と経常外収支の差が発生すると外貨準備高で調整されます。外貨準備高は文字通り外貨の準備高を示します。

 

 

2.日本の国際収支

2017年の日本の経常収支は21兆9514億円の黒字です。

 

 

2-1 日本の国際収支の現状

経常収支 +21兆9514億円
 貿易収支    +4兆9554億円
 サービス収支    ▲7257億円
 第一次所得収支 +19兆8374億円
第二次所得収支 ▲2兆1157億円

 

基本的な構造は、輸出が輸入を上回っている状態です。エネルギーや原材料を輸入し、製品もしくは半製品を輸出します。そのため貿易黒字は黒字基調です。

 

2011年~2015年に日本は貿易赤字でしたが、それ以外の年は貿易黒字を計上しています。これは2011年の東日本大震災の影響で、原発が停止しエネルギー輸入量が増加したことと、1ドル76円前後まで円高が進んだことが挙げられます

 

基本的には貿易黒字国ですが、エネルギー輸入量の増加の影響や、生産拠点の海外移転による部品輸出の減少と製品輸入の増加、海外の需要の低下などで一時的に赤字が発生したというものです。

 

サービス収支は恒常的に赤字ですが、①海外からの特許収入等の増加②海外から日本への旅行者(インバウンド)が増加しており赤字幅は近年小さくなっています。

 

近年の日本の経常黒字の大半は、第一次所得収支の黒字によるものです。第一次所得収支は、海外向けに行っている直接投資・証券投資から得られる利子・配当金です。

 

円高の進行により国内製造業が、海外へ生産拠点をシフトしたことで直接投資が増加し、また外債を中心とした「証券投資」も着実に増加しており、こうした資金の利子配当金が、経常収支黒字に大きく寄与しています。

 

 

2-2 アメリカの国際収支の現状

2017年のアメリカの経常収支は6140億ドル(67兆5400億円)の赤字です。

 

経常収支  ▲4662.5億ドル (51兆2875億円)
 貿易収支   ▲6967.4億ドル (76兆6414億円)

 

基本的な構造は、輸出が輸入を下回っている状態です。輸入の方が大きいので貿易赤字が続いています。

 

以前は対日本での貿易赤字に注目が集まっていましたが、近年は対中国の赤字額が顕著に増加しており貿易摩擦が過熱しています。

 

貿易赤字が続くと当然にドルが海外に流出してしまうことになり、通貨安が引き起こされるのですが、アメリカの場合、貿易赤字がそれほど大きな問題にならないのは、それを補って余りのある資金が、海外からアメリカに向けて投資されているためです。

 

流出したドルが投資という形で流入されるので為替に影響がでないという構造です。対米証券投資として表れており、対米証券投資の最大の債権国は中国です。

 

 

2-3 経常収支ランキング

各国の経常収支黒字額を大きい順番に並べております(単位:10億USドル)

 

①ドイツ  296.59
②日本   195.44
③中国   164.89
④オランダ  80.88
⑤台湾    80.11

 

イギリス ▲106.74
アメリカ ▲466.25

 

 

3.国際収支が重要視される理由

国際収支は国と国との間の資金のやりとりが記録され、その過不足が示されています。国の収支が示されるもので、会社に言い換えると損益計算書やキャッシュフロー計算書にあたるものです。
財務諸表と国際収支を並べて比較するのも無理があるかもしれませんが、国際収支には、その国の資金の流出入が示されており、その国の経済活動の状況が反映されています。

 

 

3-1 国際収支の重要性

企業向けの投資家が投資判断にあたり、会社の財務内容やキャッシュフロー計算書を確認することと同様に、国に対する投資または企業の進出する国のリスクを検討するうえでも、国の歳入歳出や国際収支が投資判断の材料になります。

 

経済活動がグローバル化している中、その国の国際競争力が強いか弱いか、為替や金利がどちらの方に向かうかなど、今後の動向を判断する際に国際収支は大きな影響を持つ材料であります。

 

 

3-2 国際収支と為替相場

国際収支は国と国との間の資金の収支を示しており、過不足を示しているものです。資金の過不足が生じた場合には、なんらかの方法で過不足を埋めることになり、それは為替の需給に影響するものです。

 

国際収支は海外との資金の流れを示しています。
日本とアメリカを例にとると、日本からアメリカへの輸出額が輸入額より多く、貿易収支は黒字となっています。日本から輸出しアメリカで販売した商品の代金は、ドルで受け取るため、日本が保有するドルの残高が多くなります。

 

日本の企業では、従業員への給料や原材料の支払を円で支払わなければならないので、手持ちのドルを売って円を買い、支払いに充当することになるので、為替相場は円高ドル安に動きやすくなります。

 

すなわち貿易収支の黒字国の通貨は高くなり、赤字国の通貨は安くなります。

 

また貿易黒字が増えるとGDPは押し上げ要因になり通貨は高くなります。貿易赤字が増えるとGDPの押し下げ要因になり通貨は安くなります。

 

基本的な考え方は、このようになりますが、実際は為替相場には複雑な要因が影響するため、そのまま通貨の値動きに影響するわけではありません。

 

ではアメリカが、これだけの貿易赤字があっても通貨が安くならない理由は何でしょうか。それはアメリカに世界中から資金が集まるからです。アメリカは債券を発行して資金を調達しています。

 

アメリカの貿易赤字が長く続いても通貨が下がらないのは、日本や中国などの経常黒字国の資金が、アメリカの国債や企業の社債を購入しており、ドルを買っている(調達している)ため、ドルを売る圧力が高まらないのです。

 

 

3-3 国際収支と貿易摩擦

国際収支の不均衡が長く続くと、問題も生じてきます。1990年代は対日本の貿易摩擦問題が激化しましたが、近年では中国との貿易摩擦が過熱しております。

 

アメリカの貿易赤字の中で、最も大きいのが対中国の赤字です。2017年のアメリカの対中国の貿易赤字は3752億ドルと前年比8.1%の増加で、全体の半分近くを占めています。対日本の赤字は688億ドルで横ばいでした。

 

2018年3月にはアメリカは中国による知的財産権の侵害に対して最大で1300品目600億ドル相当の輸入に25%の関税賦課を決定、また鉄鋼に25%、アルミに10%の高関税を課す措置を発動しました。

 

中国は対抗措置として果物、ワイン等120品目に15%、豚肉やアルミスクラップ等8品目に25%の関税上乗せを公表、さらにアメリカ製品128品目に最大25%の関税を上乗せする措置を発動しました。

 

世界の貿易量の第1位と第2位の国の貿易摩擦問題は世界経済全体に与える影響が大きいです。お互いの国が高い税率の関税を賦課し合うことは両国の経済活動や、その他の国々との活動にも重大な影響を及ぼす懸念があります。今後の交渉の行方が気になるところです。

 

 

4.収支決算書とは

収支決算書とは、会社や各種団体における現金の動き(収入・支出)の結果を、定期的に関係者に報告するための書類です。会社や各種団体のお金や、会費として集めたお金が、いくら集まり、どのような使い道でいくら使われたのか、今いくら残っているのかを知らせるためのものです。

 

会社などの営業目的の活動だけでなく、地域の自治会や子供会の活動、親睦会や旅行会の運営などでも会費を集めて、活動を行うことがあります。そのお金が適正に集められ、適正に使用されたかは、皆さんが気にされる点です。実際に収支報告をきちんと行わなかったために「会のお金を使い込んでいる」「もっと残高があるはず」など、後々トラブルになることもあります。

 

また今後同じような活動を行う際にも、前回いくら経費がかかったのかがわかれば、計画が立てやすくなります。当然会社の場合は会計の記録作成は必須項目です。

 

収支決算書は一年間の収入の内容と金額を報告する書類ですが、一枚の書類のみでできているわけではありません。また呼び方も収支報告書、会計報告書、決算書などさまざまな呼び方があります。

 

今回は収支決算書(収支報告書)について解説してゆきます。・

 

 

5.一般的な収支報告書

最もシンプルなパターンの収支報告書で、当期の収入と支出を報告するものです。
地域の自治会の会計報告を例に考えてみます。

 

収入の部

科目 摘要 金額
前期繰越金   78,766
助成金 地域自治会活動援助金 市補助金 50,000
会費 自治会費@1000円×60世帯 60,000
雑収入 預金利息 12
当期収入合計   (110,012)
収入合計   188,778

 

支出の部

科目 摘要 金額
管理費   (65,800)
  会議費 お茶・弁当代 10,512
消耗品費 事務消耗品費 3,444
通信費 郵送料 420
慶弔/交際費   10,000
租税公課 印紙代 200
旅費交通費   480
施設管理費 集会場維持費 40,744
活動費   37,809
当期支出合計   (103,609)
次年度繰越金   (85,169)
支出合計   188,778

 

①収入の部

今期いくら収入があったか、何の科目だったのかを記入します。

 

②科目

それぞれの費用項目をグループ分けしたものです。
科目は取引により生じた収入・支出を記録するための仕分けの名目を表します

 

③摘要

それぞれの項目の内容について補足説明をします。

 

④前年度繰越金

前年度からの繰越金を一旦収入の部に計上します。前年度繰越金は期初時点における、現金と預金残高の合計金額と一致します。次年度への繰越金は支出の部に計上します。

 

⑤当期収入合計

当期収入の合計金額を記入します。

 

⑥収入合計

④前年度繰越金+⑤当期収入合計 の金額を記入します。

 

⑦支出の部

今期いくら支出があったか、何の科目だったのかを記入します。

 

⑧当期支出合計

当期支出の合計金額を記入します。

 

⑨次年度繰越金

次年度に繰越する金額を記入します。⑥収入合計から⑧当期支出合計を差し引いた金額が次年度繰越金になります。次年度繰越金は期末時点における、現金と預金残高の合計金額と一致します、

 

 

6.予算管理を行う収支決算書

次は予算を策定して管理するケースです。予算を管理する規模が大きくなった場合や、行政等で予算計画の策定が定められている場合があります。当初予算との実際の支払金額の差異を比較できる収支計算書です。

 

収入の部

科目 摘要 予算 実績 予算比
前期繰越金     78,766  
助成金 地域自治会活動援助金 市補助金  50,000 50,000 0
会費 自治会費@1000円×60世帯 61,000 60,000 ▲1,000
雑収入 預金利息 10 12 +2
当期収入合計   (111,010) (110,012) (▲998)
収入合計     188,778  

 

支出の部

科目 摘要 予算 実績 予算比
管理費   (65,500) (65,800)  
  会議費 お茶・弁当代 12,000 10,512 ▲1,488
  消耗品費 事務消耗品費 3,000 3,444 444
  通信費 郵送料 500 420 ▲80
  慶弔/交際費   10,000 10,000  
  租税公課 印紙代   200 200
  旅費交通費   1,000 480 ▲520
  施設管理費 集会場維持費 40,000 40,744 744
活動費 防犯パトロール 30,000 37,809 7,809
当期支出合計   (95,500) (103,609) (▲8,109)
次年度繰越金     (85,169)  
支出合計     188,778  

 

①予算

当期の活動のために事前に計画した予算金額を記入します。

 

②実績

当期中に実際に発生した収入・支出金額を記入します。

 

③予算比

①予算から②実績を差し引いた金額を記入します。当初計画予算に対して、多かったのか少なかったのかを示します。
特に収入の予算を大きく下回った場合や、支出の予算を大きく上回った場合には、別途説明が必要になることがあります。

 

 

7.会社の収支決算書

会社が作成する収支決算書は、決算書や財務諸表、計算書類などと呼ばれます。これらの書類は①税金の計算②株主への配当金の支払③金融機関や株主への説明に用いられます。

 

株式会社はこうした書類の作成が義務付けられております。上場会社などでは年一回の決算だけでなく四半期決算を開示している場合もあります。

 

一般的な決算書類の構成は以下の通りです。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • キャッシュフロー計算書

 

会社の場合、経営状況を客観的に分析するためには、決算書類は非常に重要な資料です。また税金の金額や、株主への配当金を計算する上での根拠となる書類としての決算書は、ルール通り正しく作成されていなければなりません。

 

金融機関に融資を申し込む際にも決算書類が必要になります。通常3期分の決算書類を提出します。業績がどのように推移しているのか、どのような資金調達や返済を行っているのかがわかります。

 

新規で取引を開始する相手にとっても、その会社の規模や内容、信用力を検討する上では決算書類は重要な情報源の一つです。

 

その他、上場企業の決算書類などは、投資家が投資判断を行う上で重要な指標として確認する場合もあります。その会社の信用状態や今後の発展の余地を考える上でも重要な書類です。

 

①貸借対照表

貸借対照表は、企業の一定期間における資金調達と資金運用の状態を示しています。
負債の部と純資産の部でどのようにお金を調達したのかが示され、資産の部でそのお金をどう使ったか、何を買ったのかを示しています。

 

(資産の部) 金額 (負債の部) 金額
流動資産 〇〇〇〇 流動負債 〇〇〇〇
 現金・預金 〇〇〇  支払手形 〇〇〇〇
 売掛金 〇〇〇  買掛金 〇〇〇〇
 棚卸資産 〇〇〇〇  短期借入金 〇〇〇〇
 受取手形 〇〇〇〇  預り金 〇〇〇〇
固定資産 〇〇〇〇 固定負債 〇〇〇〇
 有形固定資産 〇〇〇〇  社債 〇〇〇〇
  建物・構造物 〇〇〇〇  長期借入金 〇〇〇〇
  車両・運搬具 〇〇〇〇 (純資産の部) 〇〇〇〇
  土地 〇〇〇〇 株主資本 〇〇〇〇
 無形固定資産 〇〇〇〇  資本金 〇〇〇〇
 投資その他資産 〇〇〇〇  資本準備金 〇〇〇〇
繰延資産 〇〇〇〇  利益準備金 〇〇〇〇
     繰越利益剰余金 〇〇〇〇
資産合計 〇〇〇〇 負債・純利益合計 〇〇〇〇

 

②損益計算書

損益計算書は企業の一定期間における営業活動の売上や費用、利益の金額を示します。
この書類では、どのくらい売上が上がり、どのくらいの費用を使って、いくら利益を上げたのかが示されています。1年分だけでは利益や費用の水準が分かりにくいので、通常3期分の損益計算書を比較し、各項目の増減を確認します。

 

売上 〇〇〇〇
仕入
売上総利益
〇〇〇
〇〇〇
 販売費及び一般管理費
 人件費
  販管費
営業利益
〇〇〇
〇〇〇
〇〇〇
〇〇
 営業外収入
 営業外支出
経常利益
〇〇
〇〇
〇〇
 特別利益
 特別損失
当期利益
〇〇
〇〇

 

③キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、企業の一定期間におけるキャッシュフロー(現金収支)を示す書類です。損益計算書では売上や費用の額はわかりますが、実際にどれくらいの現金が回収され、どれくらいの現金が支払われたのかなどはわかりません。利益は出ても、回収期間が長い場合もあり「勘定合って銭足らず」の状態になっていることもあります。

 

営業キャッシュフロー  
  税引き前当期純利益 〇〇
  減価償却費 〇〇
  売上債権の増加 〇〇
  仕入債務の増加 〇〇
  棚卸資産の増加 〇〇
  その他  〇〇
 営業活動によるCF計 〇〇〇
投資キャッシュフロー  
  固定資産取得 〇〇
  その他 〇〇
 投資活動によるCF計 〇〇〇
財務キャッシュフロー  
  短期借入 〇〇
  その他 〇〇
 財務活動によるCF計 〇〇〇
現金及び同等物の増減額 〇〇

 

 

8.簡易簿記と複式簿記

簿記は、収支決算書を作成する上では大切なポイントです。

 

簡易な簿記とは簡易化された簿記を示し、一般的には単式簿記のことを示します。
単式簿記は取引を1つの科目に絞って記録する方法です。(2)(3)で示したような収支計算書は単式簿記で作成されており、実際に支払った現金・預金の動きのみを記録する方法です。わかりやすく言うと、いくらもらって、いくら払ったかというものです。

 

複式簿記は、取引の両面を表すことができる形式のものです。取引の両面とは例えば、現金で消耗品(ガムテープ)を購入した場合、費用の増加(消耗品費)と現金の減少の2面があります。この取引の二面性を貸方・借方に分けて、左右に記録するのが複式簿記の記入です。単式簿記の場合は消耗品費の勘定科目のみで完了します。

 

①単式簿記の場合

日付 勘定科目 金額 金額
2018/6/30 消耗品費 200 ガムテープ

 

②複式簿記の場合

日付 借方 貸方 金額
2018/6/30 消耗品費 200 現金 200 ガムテープ

 

複式簿記では、このように、取引の二面性を表すことができます。
自治会や今回の収支報告書では、基本的に勘定の出入りは現金(預貯金)であることから、単式簿記で簡易的に表すことでも、十分に用が足ります。主に関係している人が知りたいのは、自分たちの支払った現金が何に使われたかという点ですので、必要な情報は網羅されていると言えます。

 

一方で税金や配当金の計算、金融機関への決算書の提出、業績の分析をする場面などでは、「網羅性」「立証性」「秩序性」の3要件を満たした簿記が必要となります。そのために複式簿記が用いられているのです。

 

 

9.現金出納帳

現金出納帳は日々の現金の動きを記入して、現金の管理を行うものです。収支報告書は、現金出納帳の1年間の動きをまとめると作成できます。

 

  科目 摘要 収入 支払 差引残高
  前月より繰越       78,766
6/1 交通費 バス   480  
  消耗品費 ペン   200 78,086
6/2 会議費 弁当代   10,512  
  会費 〇〇 1,000   68,574
           
           
    5,000 24,312 59,454
    次月へ繰越     59,454

 

①日付

現金の出入りがあった日付を記入します。(領収書の日付ではなく)

 

②前月より繰越

前月末の残高(次月への繰越金額)を記入します。

 

③差引残高

毎日の〆後の残高を記入します。

 

④計

収入の合計と支出への合計を計算します。月末で〆た際に、残高を突合します。

 

⑤次月へ繰越

①前月より繰越+収入計―支出計 =次月への繰り越し の金額となります。

 

 

10.仕分け科目

収支決算書を作成する上では、収入や支出を内容に応じて科目ごとにまとめてゆく必要があります。ただし、あまり難しく考えすぎる必要はありません。自治会や子供会などでは、科目の種類も限られ、また例年通りの処理を行っていれば問題ありません。

 

そもそも仕訳科目には特定の決まりがあるわけではありません。税金の計算などは別として、団体ごと、会社ごとで決まった科目に振り分けて入れば大きな問題はありません。

 

ここでは主要な科目について説明します。

 

費用 内容
仕入 材料や商品の仕入
外注費 業務に関して外部に仕事を委託発注した経費
旅費交通費 通勤交通費や移動交通費、出張費、宿泊費、ガソリン代、高速代
通信費 郵送料・切手代、電話代、インターネット接続費用
水道光熱費 電気・ガス・水道
広告宣伝費 ホームページ作成を外注した場合の作成費・チラシ印刷
会議費 取引先や関係者との打ち合わせ飲食費
交際費 お中元・お歳暮代、冠婚葬祭への参加費、接待交際費、手土産代
消耗品費 1組10万円未満の備品、パソコン、コピー代、文房具、ガソリン代
新聞図書費 新聞・雑誌・書籍・DVDなどの資料代
地代家賃 事務所家賃・月極駐車場代
保険料 事務所の火災保険料
修繕費 車やパソコン、複合機などの修理

 

収支決算書は、会社や各種団体での現金の動き(収入・支出)の結果を、定期的に関係者に報告するための書類です。会社や各種団体といってもさまざまですが、目的や対象者によって作成する内容や項目が変わってきます。

 

いずれの形式にしても、共通しているポイントとしては、お金がいくら集められて、そのお金がどのように使われたかということが、わかりやすく示されなければいけないという点です。そして特に現金・預金が今いくら残っているのかが、明確にわかるようにしなければなりません。

 

それが自治会や子供会の関係者であっても、投資家向けに作成されるものであっても、一年間の収支を報告するという本質的な点は同じです。

 

他人からお金を預かって活動する場合には、そのお金は自分のものではなく、他人から預かっているものという意識があれば、預けた人に対して、このように使っている、いま残高がこれくらいあるという説明を行う必要性が、わかるのではないでしょうか。

 

収支決算書の作成は大変手間な手続きですが、それにより不要なトラブルを防げることになりますので、是非活用ください。

 

 


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