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ノマドワーカーの新たな働き方とは?その特徴から始め方や会社設立までを徹底解説

リモートワークが急速に普及してきたことで労働者の働き方に対する考えに変化が見られ始め、ノマドワーカーのような新しい働き方を希望する人が増えてきました。

今回はこの新しい働き方に着目し、ノマドワーカー等の働き方の種類・内容、メリット・デメリット、必要な環境やモノ・コト、向いている人・いない人の特徴、始め方から会社設立・リタイアまでのポイントを解説します。

企業に囚われない働き方をしたい方、働きつつ旅行などを楽しみたい方、将来設計に応じた働き方を考えたい方は参考にしてみてください。

 

 

1 ノマドワーカー等の働き方とは

ノマドワーカー等の働き方とは

 

会社などの決まった職場で就業しない、柔軟に就業できるノマドワーカー等の働き方が注目されています。ここではその自由な働き方の種類、内容や状況について見ていきましょう。

 

 

1-1 会社に束縛されない自由な働き方

会社に束縛されない自由な働き方

 

自由な働き方に対する考えには個人差があるため、その自由度について自分自身で整理しておくのが望ましいです。

 

その自由度としては以下の3つが重要になります。

 

1)就業時間の自由度

 

会社に勤務している場合、一般的に就業時間は固定される上、業務の状況によっては残業や休日出勤などを要求されるケースも多く、会社員が自由な時間を確保するのは簡単とは言えません。

 

逆に出社や退社の時間が柔軟であったり、選ぶことができたりすると、個人は時間を有効に活用できます。また、早朝や夜間などの隙間時間に就業できれば、昼間の時間を自由に使うことも可能になるはずです。ほかにも企業に雇用されていなければ残業等の命令を受けずに済みます。

 

このように会社に雇用される場合とされない場合の働き方とでは、自由な時間を確保する点において大きな差が生じる点は否定できないはずです。

 

2)働く場所の自由度

 

一般の会社員の就業形態では、特定の職場に出社して業務を行うのが普通であり、働く場所の自由度は決して高くありません。しかし、コロナ禍により在宅ワークなど就業場所を固定しない働き方が急速に普及しました。

 

しかし、会社員の在宅ワークでも一定期間毎に出社が要求されるケースは少なくありません。他方、フリーランスなどの場合はそうした縛りを受けることなく打合せなどを除けば出社を求められるケースは少ないです。

 

このようにリモートワークに対する会社の扱い方、フリーランスであるかどうか、などによって就業場所の自由度も異なってきます。

 

3)仕事のやり方等の自由度

 

会社員の場合、業務の範囲や遂行方法などが決められているケースが多く、仕事の取組み方や進め方の自由度は高いとは言えません。

 

他方、フリーランス等の場合は、成果目標は定められるものの、仕事の進め方について制約を受けないケースが多いです。また、フリーランス等は会社員と異なり、気の進まない仕事を受ける必要はなく断ることができます。

 

つまり、フリーランス等はやりたい仕事を自分の思うようなやり方でできるという自由度が会社員に比べ格段に高いわけです。

 

以上のように会社に属して働くか、そうでないかの違いのほか、働き方によって仕事や就業に関する自由度が異なってくるため、自身の考える自由度を整理しておき、その上で具体的な働き方を検討することが重要です。

 

 

1-2 働き方のタイプ

 

働き方にも様々な種類があるため、ここではそのタイプを整理しましょう。

 

1)雇用形態による働き方

雇用形態による働き方

 

雇用に着目すると、働き方として「直接雇用」と「間接雇用」の2つに大別されます。直接雇用とは、労働者と企業が直接的に雇用契約を締結する雇用形態です。そのタイプとしては、正社員、契約社員、嘱託社員、パート、アルバイトなどになります。

 

仕事の命令・指示は企業が彼らへ直接伝達する形式です。労働者の給与は企業からの直接払い、社会保険は企業で加入しその費用を折半するといった形態になります。給与のタイプは雇用形態で異なり、正社員が月給制や年俸制契約社員・嘱託社員が月給制や日給制パート・アルバイトが日給制や時給制などです。

 

間接雇用とは、派遣会社と雇用契約を結んだ労働者が派遣先の企業から仕事の指示を受けて就業する雇用形態になります。この形態で就業する者は一般的に「派遣社員」と呼ばれますが、彼らの給与の支払いや社会保険の加入は派遣会社が行います。

 

就業場所や就業時間及び仕事の進め方などは派遣先の企業の指示に従うのが一般的で、その企業の正社員と同様にそれらに関する自由度は高くありません。なお、一般的には正社員は収入や休日などの待遇面が良い一方、仕事や就業に関しての自由度が低いです。

 

逆にパート・アルバイトは待遇面では最も低水準ですが、勤務時間や勤務時間帯などの制約は正社員より緩くなり自由度はやや高めと言えるでしょう。

 

2)雇用以外の働き方

雇用以外の働き方

 

企業と雇用契約を結ばない働き方は、以下のような「個人事業主」等として働く形態になります。

 

●個人事業主

 

個人事業主とは、税法上において開業届を税務署に提出した者を指します。独立した事業者として何らかの商売をしたり、企業の下請などをしたりする形態はいくつかありますが、以下のようなタイプも開業届を税務署に届出すれば税法上は個人事業主に分類されるわけです。

 

●フリーランス

 

フリーランスとは、特定の企業の属さず、多様なクライアント(企業等)と自由に契約しその都度仕事案件を受注して業務を請け負う働き方になります。語源はフランスの中世時代の「特定の主従関係を持たないフリーの傭兵(の働き方)」です。

 

フリーランスは雇用契約者でないため、自分で仕事をクライアントから受注することで収入が得られるため、好条件の仕事を多く確保できれば高収入が得られる一方、受注できなければ生活が苦しくなります。また、社会保険や福利厚生などは自分で負担しなければなりません。

 

フリーランスは仕事の成果の内容・質や納期についてクライアント等から要求を受けますが、それを達成させるための方法や業務時間(及び時間配分)などの制約を受けることが少ないため、比較的自由な働き方が可能です。

 

●ノマドワーカー

 

ノマドワーカーとは、特定の企業や職場などに出社する必要がなく、就業場所を自由に選択できる(転転と変えられる)労働者と言えるでしょう。日本では2010年頃より、新しい働き方として注目されるようになりました。

 

ノマドはフランス語の「遊牧民」「nomade」を語源とする言葉で、様々な場所を転転と移動して暮らす遊牧民がイメージされこの用語が使用されるようになったと言われています。

 

●在宅ワーカー

 

厚生労働省の「在宅ワーカーと企業のマッチング好事例集」によると、在宅ワーカーとは、「クライアント(発注者)から仕事の依頼を受け、パソコンやインターネットなどを使って在宅で仕事をする個人事業主」のことです。

 

具体的な業務には「データ入力」、「音声起こし」、「ホームページ作成」、「翻訳」、「設計・製図」などがあり、在宅ワーカーはそれらを自宅で請け負う働き方になります。上記の資料によると、在宅ワーカーの数は、2013年時点で約126万4千人です。

 

●フリーランスとノマドワーカー等との違い

 

フリーランスは自由な契約を前提とした労働形態ですが、どのように働くかについての規定はありません。一方、ノマドワーカーは契約に基づきクライアント等から仕事を受けますが、働く場所や時間等の制約を受けない自由度の高い働き方の概念と言えるでしょう。

 

フリーランスでも働く場所を自宅やシェアオフィスなどに固定する人もいれば、特定の場所に固定しないで変える人もいます。つまり、後者の場合は、ノマドワーカーとして働くフリーランスになるわけです。

 

在宅ワークは主に自宅という場所で働くというワークスタイルであるため、フリーランスでも在宅での就業にこだわればフリーランスの在宅ワーカーになります。しかし、自宅に限らず働く場所を固定せず自由に移すノマドワーカーは在宅ワーカーには当てはまりません。

 

 

1-3 フリーランス等の現状

 

フリーランス等として働く人の人口、収入や経済規模などの状況を紹介しましょう。

 

1)日本のフリーランスの状況

日本のフリーランスの状況

 

ランサーズ株式会社の「新・フリーランス実態調査2021-2022年版」によると、フリーランスの人口は1,577万人で、その経済規模は23.8兆円であると報告されています。

 

この調査において、調査が開始された2015年との比較では、人口は68.3%(640万人)、経済規模は62.7%(9.2兆円)の増加が確認されました。2020年1月の調査結果ではフリーランス人口は1,062万人、経済規模は17.6兆円でしたが、コロナ禍に直面したことでフリーランス市場は大幅に拡大したと分析されています。

 

また、2021年10月までの1年間に「オンラインで仕事を完結させた経験を有する」フリーランスは53.2%も存在し、オンラインで働くフリーランスはフリーランスの平均よりも年間報酬額が約10万円多く、1週間の勤務時間が1時間短いことが判明しました。

 

その理由として、「働く時間や場所を選択し、自分に合った働き方をすることでより効率的に働けるようになった」と同報告書は分析しています。

 

今回の調査でほかに、フリーランスの30%以上が「過去や現在にマネジメント経験がある」との結果も示されました。その理由として、新型コロナの影響で拡大した在宅勤務により、「時間に余裕ができたマネジメント層がフリーランスといった働き方を実施した」と考察されています。

 

また、77.1%のフリーランスが「自身の仕事に対してプロフェッショナルな意識を持っている」と回答しており、フリーランスの仕事に対する意識の高さが確認されています。

 

マジメント層といった一定のキャリアを有し、仕事に対して一定の自信を持つ人材がフリーランスとして働き出す可能性の高いことが窺えるでしょう。

 

今後学習したいスキルについて、20~40代のフリーランスの回答を見ると、「プログラミング」が最多で、ほかには「動画撮影・編集」や「WEBデザイン」といったデジタルスキルが上位になっています。

 

なお、現在保有するスキルとしては「接客スキル」「営業スキル」との回答が多くデジタルスキルを有する人材は少ないため、今後デジタルスキルの「リスキリング(学び直し)」が広まると考察されています。

 

2)ノマドワーカーの状況

ノマドワーカーの状況

 

アメリカではデジタルノマド(ITを活用し国内外を旅行しながら働く形態)が急増しています。ProjectUntethered.comが紹介しているMBO Partners社のデータによると、デジタルノマドと見なされているアメリカ人は2019年において730万人でした。

 

それが新型コロナの影響を受けた2019年から2020年には、49%増という驚異的な伸びが見られ、その人口は1,090万人に達し、2021年には1550万人へと急増しました。

 

一方、日本のノマドワーカーの現状については、その実態はまだ明らかにされていません。最近、働き方改革の推進やコロナ禍によるリモートワークの普及等によりノマドワーカーの働き方がにわかに注目されるようになってきましたが、実際に行っている者はまだ少数と見られています。

 

今後日本でも働き方に対する労働者、企業及び社会の考えがより柔軟になっていけばノマドワーカーも増加していくでしょう。

 

 

2 ノマドワーカーの特徴や働き方

ノマドワーカーの特徴や働き方

 

ここではノマドワーカーについて詳しく確認していきましょう。

 

 

2-1 ノマドワーカーの姿とは

 

ノマドワーカーは、「特定の企業に属さず働く場所を固定せずに転転と変えながら労働する者」と定義されることが多いですが、その具体的な特徴を紹介しましょう。

 

1)働き方の特徴

ノマドワーカーの働き方の特徴

 

働き方全般については以下のような特徴が見られます。

 

・働く場所

 

ノマドワーカーが働く場所は様々です。自宅、カフェ・喫茶店等、コワーキングスペース、キャンピングカー、宿泊施設(旅館・ホテル等)などが多く利用されています。

 

・労働環境及び仕事に必要なもの

 

ノマドワーカーにとっての就業条件は、会社のように仕事が出来る環境や必要な道具等が揃っていることです。プログラマー、デザイナー、WEBサイト制作者、設計者・エンジニア、市場等のアナリスト、ブロガー・ユーチューバーなどの場合、PCやインターネット環境等は欠かせません。

 

もちろんスキルを有する職業の中には「出張整体」「出張レッスン」といった顧客の自宅や指定場所でサービスを提供する仕事もあり、自身の体と技能さえあれば可能な職種もあります。

 

上記の内容の通り、ノマドワーカーには専門的な知識やスキルを必要とする職種が多いです。営業職なども高度なノウハウを有する方ならノマドワーカーとして働いても成功が期待できます。

 

・働く時間や時間帯

 

ノマドワーカーは自分が決めた時間や時間帯で働くことが可能です。もちろん請け負った仕事を決められた納期に間に合わせることが前提ですが、自身の能力・状況と仕事の負荷を考慮して最適な労働の時間や時間帯を選択できる裁量がノマドワーカーにはあります。

 

ただし、クライアントからの依頼を断ったり調整したりするのが困難である場合、過度の負荷を負うことになり会社員以上の労働時間を強いられるケースもないとは言えません。

 

・働く服装

 

ノマドワーカーが労働する際の服装は基本的に自由です。顧客との商談や打合などで正装が適切である場合はスーツ等を着る必要もありますが、それ以外は普段着等の服装で問題ありません。

 

2)生活の特徴

ノマドワーカーの生活の特徴

 

生活面全般では以下のような特徴が見られます。

 

・自由時間の多さと有効活用

 

通勤等の移動時間がないため個人として利用できる自由な時間は確保しやすいです。また、昼間に役所や銀行等での用事を済ますための時間を取ることもでき、夜間を仕事時間にあてるといった柔軟な就業が可能です。

 

・収入の不安定さ

 

ノマドワーカーの収入についての適当なデータがないですが、フリーランスの収入についてはいくつか確認できます。

 

リクルートワークス研究所の「全国就業実態パネル調査(JPSED)2018、2019、2020」によると、「本業フリーランサー」の年間の平均収入は256.1万円です。就業者全体の平均が342.1万円であることを考えるとかなり低い水準と言えます。

 

ノマドワーカー全体の収入を考えた場合、上記のようなフリーランスの収入のような傾向になることが予想されますが、実際のノマドワーカーの中には月に100万円以上の収入を得ている者も少なくありません。フリーランスと同じようにノマドワーカーも能力ややり方次第で高収入を得ることは可能です。

 

・趣味や旅行などに勤しむ生活

 

ノマドワーカーは自由な時間が確保しやすく、働き場所を固定しないため、趣味を満喫したり、観光地等を旅行したりしながらの生活を送りやすくなります。国内だけでなく、海外を旅行しながら仕事を行うといったスタイルを実践する方も現れるようになりました。

 

 

2-2 労働者と企業にとってのメリット・デメリット

 

ノマドワーカーについて、労働者と企業にとっての各々のメリット・デメリットを確認しましょう。自身がノマドワーカーとして働く場合、事業者としてノマドワーカーを活用する場合においてその特徴を把握しておくことは有効です。

 

1)労働者側

労働者のメリット・デメリットは以下の通りです。

 

●メリット

ノマドワーカー労働者のメリット

 

・組織の規則に拘束されない

 

ノマドワーカーは会社員と異なり、働く場所や働く時間及び時間帯等の縛りがないため自由な働き方ができます。自分の都合に合わせて用事を済ませたり、家事を行ったりすることが組織に所属しないノマドワーカーには容易です。

 

請け負った仕事の質・量と納期を守れば、いつ、どこで働いても自由であり、私的な用事なども簡単に済ませられます。また、仕事の遂行方法なども自分のやりたいように行うことができ、創意工夫次第でより効率的かつ質の高い仕事を実現することも可能です。

 

・希望のライフスタイルを実現しやすい

 

ノマドワーカーは、自分のペースで仕事に取り組め趣味等に興じる時間も確保しやすいため、希望のライフスタイルを実施できます。

 

また、働く場所に制約を受けない仕事なら旅行したり、ワーケーション施設(地方・観光地等で仕事と休暇を両立するために使用される宿伯施設)に滞在したりしながらの働き方も可能です。ノマドワーカーなら仕事中心や会社中心から個人の生活中心の暮らしが実現しやすくなります。

 

・仕事の効率化と質の向上が期待できる

 

自分の好きな場所、都合の良い時間帯に、やりたい方法で集中して仕事に取り組みやすいため、ノマドワーカーは会社員以上に仕事を効率的に行い、質の高い仕事を実施することが可能です。

 

仕事の成果はその従事者の能力とやる気に大きく影響されますが、ノマドワーカーは今まで確認した点から会社員以上にモチベーションが上がりやすいため、良好な成果が期待できます。

 

・ストレスフリーの仕事ができる

 

会社員の場合、会社のルールに従うのみならず上司や先輩の命令・指示に従う必要があり、職場の同僚や関係部署の社員などとのコミュニケーションも良好に保つ必要があるなど何かと精神的に負担になることも多いです。

 

しかし、ノマドワーカーならそうした組織の命令系統やしがらみに縛られることはなく、ストレスフリーの仕事が期待できます。もちろんノマドワーカーでもクライアントとの接し方や仕事のパートナーとの協調などでの配慮も必要ですが、会社で見られるハラスメントなどに遭遇するケースは少ないです。

 

また、満員電車に乗るという通勤もないため、ノマドワーカーは身体への負担も軽くストレスで体を病むケースも少なくなるでしょう。

 

・働くための支出が削減できる

 

会社への出社が少なくなれば、出勤用の衣服や化粧等に関する支出が激減します。また、同僚等との昼食、飲食や娯楽なども減るためお小遣いが減る心配も少なくなるでしょう。

 

●デメリット

ノマドワーカー労働者のデメリット

 

以下のようなデメリットを被る可能性もあります。

 

・働く場所の確保が容易とは言えない

 

働く場所を自由にできる一方、仕事に取組める環境を確保するのが難しいケースも少なくありません。仕事がじっくりできるカフェ等もありますが、込み合って利用できないケースも多いです。喫茶店などでは長居できず、PC作業などが適切でない環境の場合もあります。

 

また、コワーキングスペース、シェアオフィスやワーケーション施設などを利用する場合は一定の費用負担が必要です。このように働く場所やその確保のための費用が重くなり過ぎるとノマドワーカーとして事業を継続するのも楽ではありません。

 

・自己管理ができないと生産性が低下する

 

ノマドワーカーは自分のやり方次第で生産性を高められる一方、自己管理ができないと生産量や仕事の質が低下する恐れがあります。受けた仕事の質・量と納期を守るのは絶対ですが、受けた仕事をどれだけの期間でするかは本人の考え・取組み方次第となるため、スケジュール管理は重要です。

 

たとえば、フルタイムで作業すれば3日間で終える仕事を取組み方によっては5日間になることもあります。趣味などに時間を多く割り当てれば、おのずと仕事に取組む時間が少なくなりますが、だらだらとメリハリのない仕事をしているようであれば効率の悪いやり方となり収入の低下に繋がりかねません。

 

また、働く場所が落ち着いて仕事に取組める環境でないと生産性が低下する恐れも生じます。自宅の場合は家族との接触を避けるスペースを確保する、外部の施設の場合は、騒がしくない、頻繁な人の出入りがない、などの落ち着ける環境を見つけ出す、といった取組みが必要です。

 

・セキュリティ対策が必要となる

 

ノマドワーカーは、自分で働く場所の安全性を確保しなければなりません。誰でも出入りが自由なカフェ、ホテルやコワーキングスペースなどで仕事をする場合、トイレなどで席を外す際にPCが持ち去られたりデータを盗まれたりする可能性は低くありません。

 

他のノマドワーカーの知り合いに席を見張ってもらえるなら良いですが、自分一人だけで仕事をしている場合は、そうしたリスクを回避する手立てを準備しておく必要があります。

 

・孤独感から不安が増す

 

常に一人で仕事を行う場合、会社組織からの解放感がある一方、孤独感で仕事や生活等への不安を感じることも少なくないです。ノマドワーカーでも仕事を協力してくれるパートナーがいればそうした孤独感を感じることもないでしょうが、全く一人で業務を行っている場合は寂しさが増大していくこともあります。

 

寂しさが不安を増大させ、ノマドワーカーとして働く意欲を損なうこともあるため、何らかの対策も必要です。

 

2)企業側

 

リモートワークの促進策などとして、社員がノマドワーカーのように働ける人事施策を提供する企業が登場しだしました。その企業にとってのノマドワーカー制度を導入するメリット・デメリットを確認しましょう。

 

●メリット

ノマドワーカー企業側のメリット

 

・経費削減と福利厚生の向上

 

社員の大多数が出勤しない就業形態になるなら通勤が便利な大きな事務所を構える必要がなくなるため、事務所費の削減が可能になります。また、毎日の通勤が不定期通勤などに変われば通勤費用も削減できるでしょう。

 

ノマドワーク等で在宅を含め柔軟な働き方が可能になれば、社員は子育てや趣味などの時間を確保できるため、福利厚生の向上策としても有効です。

 

・心身のリフレッシュと生産性の向上

 

社員が働きたい場所で業務に従事できるようにすれば、通勤での負担は軽減され、気分転換も図りやすくなり、仕事の生産性や質の向上が期待できるでしょう。

 

・人脈の拡大やイノベーティブな発想の促進

 

コワーキングスペースなどを働く場所として準備すれば、そこでの他者との交流で企業にとって有益な人脈形成に繋がることもあります。また、観光地のホテルやワーケーション施設などを確保して提供すれば、社員のイノベーティブな発想を促すことも可能です。

 

・リモートワークの導入促進

 

自宅でのリモートワークが適さないケースもありますが、ノマドワーカーのように自宅外で従事できる環境が用意されれば、リモートワークの促進に繋がります。

 

●デメリット

ノマドワーカー企業側のデメリット

 

ノマドワークを導入する企業には以下のようなデメリットが生じかねないため注意が必要です。

 

・管理の手間がかかる

 

ノマドワーク等のリモートワークする社員が増えれば、その管理の負担の重みが増します。各部署の業務目標の達成に向けて、社外で働く社員にどのように業務を割当て遂行させるのかを計画的に実施しなければなりません。

 

また、計画を立てた後はその遂行状況を適宜モニタリングし指導や支援を行い、目標を達成できるように導くといったマネジメントが必要です。社員が同じ職場で働く場合は、状況確認や指導・支援も直接的にできますが、リモートワークはそれが不可能であるため、マネジメントは簡単ではありません。

 

単に手間がかかるだけでなく、管理の質が低下し業務成果に支障が出る恐れもあるため、適切なマネジメント体制の整備が不可欠です。

 

・働く場所の確保と費用の増大が負担になる

 

リモートワークのための働く場所の確保が必要ですが、自宅以外の場所を会社側が提供する場合はその確保の手間とコストが負担になります。会社が提供する場所を多く準備するほど費用負担が増すため、社員の希望等を考慮しつつ予算の設定等による費用のコントロールは重要です。

 

・コミュニケーション不足で弊害が生じる

 

会社には時々しか出社せずにビデオ会議や電話・メール等での連絡だけではリモートワークする社員と会社側(上司等)でコミュニケーション不足に陥り、様々な弊害を生み出しかねません。

 

たとえば、会社へのロイヤリティが低下し会社を退職する者が増える恐れがあります。また、ノマドワーカーのような働き方をすれば、個人のプライベートの時間が重視され仕事が疎かとなり業務に支障が生じる可能性も低くありません。

 

 

3 ノマドワーカーに適した仕事と向く人・不向きの人

ノマドワーカーに適した仕事と向く人・不向きの人

 

ここではノマドワーカーに適した職種や、人による向き不向きについて確認しましょう。

 

3-1 ノマドワーカーに適した職種

 

1)フリーランスの職種

 

先に取り上げたリクルートワークス研究所のサイトで示されている「定点観測 日本の働き方」の資料(「職種別の就業者に占める本業フリーランスの割合及び本業フリーランスの週労働時間と年収」)によると、「就業者に占める本業フリーランサーの割合」の多い職種は以下の通りです。

 

職種 就業者に占める本業フリーランサーの割合
出版・マスコミ関連専門職 31.5
コンサルタント・金融関連専門職 34.0
デザイン・ファッション関連専門職 25.2
法務・経営関連専門職 23.7
講師・通訳など専門職 9.2
工学系エンジニア 8.2
IT系エンジニア 7.8

 

以上の職種もノマドワーカーとしての仕事の候補になるのではないでしょうか。

 

2)在宅ワーカーに適した職業

また、厚生労働省の「在宅ワーカーと企業のマッチング好事例集」のP6には在宅ワークに馴染む仕事として下表にある職種を挙げており、ノマドワーカーの職種として参考になるはずです。

 

業務 職種
編集系業務 ライティング、音声起こし、誌面の編集、コピー作成 等
ビジネス支援系業務 調査、マーケティング、カウンセリング 等
web関連系業務 ホームページ制作、web管理、ネットショップ運営 等
開発系業務 プログラミング、システム開発、ネットワーク管理 等
デザイン系業務 DTPデザイン、イラスト制作、動画制作・編集 等
教育・語学系業務 eラーニングチューター、翻訳 等

 

3)出張サービスが可能な職種

出張サービスが可能な職種

 

顧客等の自宅や指定場所等へ出向いてサービス等を提供する以下のような仕事もノマドワーカーの職種の候補になるでしょう。

 

・出張理容サービス

 

ヘアサロン等では、高齢者や患者等が自宅療養や入院などにより理容室を利用できない方のために、お客の自宅や病院等へ訪問して理容サービスを提供するケースも少なくないです。

 

・出張教育サービス

 

家庭教師などによる学習支援や受験対策支援のほか、英会話レッスン、資格取得支援、音楽・絵画等の指導、パソコンレッスンなどのサービスが提供されています。

 

・出張整体サービス

 

整体サービスは整骨院や整形外科などで受けるのが一般的ですが、最近では個人宅のほか企業や商業施設などで行うサービスが増えてきました。

 

・家事代行サービス

 

食事や掃除などの家事を代行するサービスは以前から存在しますが、女性の有職化が進むにつれ増加しています。ハウスクリーニングなどを定期的に利用するユーザーも多く見られるようになりました。

 

・各種修理の出張サービス

自宅の家電やお風呂・トイレ等の水回り、雨漏りなどに関する修理を訪問して行うサービスも多いです。

 

3-2 ノマドワーカーに向き不向きのタイプとは

 

ノマドワーカーにはどのようなタイプの人が適しているのか、適さないのかを確認しましょう。

 

●一定のスキルを有する人

 

フリーランスの場合、一定の仕事量を確保するにはクライアントから要望される水準の仕事をこなす必要があり、そのスキルが求められます。

 

必ずしも専門性の高いスキルである必要はないですが、より安定した仕事量を維持し多くの収入を得るにはその職種における平均以上レベルのスキルを保有しておくことが重要です。

 

●自己管理ができる人

 

会社に属さないノマドワーカーには上司はおらず仕事の進捗などをチェックする者が存在しないため、自由に仕事を進められる一方、自己管理ができないと仕事は非効率になり、タスクの終了が遅れる可能性も増します。

 

たとえば、本人の気分次第で仕事が大幅に遅れ受注案件の納期に遅れるような事態になる恐れもあるわけです。

 

●クライアント等を獲得できる人

 

ノマドワーカー等は自分で仕事を確保しなければなりません。営業経験のない開発・設計・生産等のフリーランスでも自分自身で仕事を獲得しなければならないため、営業活動や受注活動等を積極的に行う必要があります。

 

営業活動の向き不向きはありますが、何らかの方法で仕事を獲得できる手段を持ち実際に確保できることが必須です。

 

●一人の孤独に耐えられる人

 

ノマドワーカー等の場合、基本的に一人で仕事を行うことになるため、会社の職場とは違い人との触れ合いのない空間で黙々と仕事に向かう必要があります。人によってはそうした環境での仕事が苦痛になることも少なくないです。

 

そのためノマドワーカー等には一人で業務に向き合うことに耐えられる特質が求められます。

 

●移動や旅行が好きな人

 

転転と仕事場を移すノマドワーカーとして働くには、働き場所を頻繁に変えたり、旅をしたりしながら仕事に従事することが好きである、ということが重要です。つまり、旅行など様々な場所に滞在しながら仕事をしたい、という方ならノマドワーカーに適しています。

 

なお、海外でノマドワーカーとして働くには英語など外国語が話せることは重要です。

 

●向いている人の特徴がない人

 

上記で確認した向いている人の特徴がない場合、その方はノマドワーカー等には基本的に適しているとは言えません。そうした方はノマドワーカーになれても、仕事を上手く確保できない、増やせない、仕事が続かない、といった状況に陥り失敗する可能性が低くないです。

 

●リスクを負う自信がない人

 

フリーランスは独立した事業者として仕事を獲得して生計を立てる必要があり、失敗すれば生活に困窮するというリスクを背負っています。そうしたリスクと向き合い事業を発展させるという意欲や自信がないと不安に押しつぶされ早期に撤退するケースも多いです。

 

最初から順調に事業を拡大させるのは簡単ではないですが、少しずつでも広げていく覚悟と意欲がないとノマドワーカー等の働き方は厳しいでしょう。

 

●挑戦意欲や好奇心が少ない人

 

ノマドワーカー等として成功するには、請け負った仕事で質の高さや独創性を成果として示すことが重要になります。そのため差別化できるようなスキルを獲得し、イノベーティブな発想を行い、高いレベルの仕事に挑戦することも必要になります。平均的な水準の成果だけでは成長の限界点に直面しやすくなる点に留意しておきましょう。

 

●ノマドワーカー等としてのゴールを持っていない人

 

ノマドワーカー等としての明確な目的や将来の目標などをもたず、単にプライベートな時間を有意義に使いたいだけ、というような将来設計が不十分な方は適しているとは言えません

 

フリーランスになってからの「今」を楽しむことは重要ですが、将来の生活設計に基づく仕事の目標やその目標の達成に向けた計画がない働き方では、事業の発展が危ぶまれます。

 

事業の成長が伴わなければ、プライベートな時間を楽しむ余裕も少なくなり希望の生活が維持しにくくなる点を留意しておきましょう。

 

 

4 ノマドワーカーになるため必要なモノ・コト

ノマドワーカーになるため必要なモノ・コト

 

ここではノマドワーカーのような働き方をする場合に、必要となるモノやコトを整理します。

 

 

4-1 仕事を獲得するための知識やスキル

ノマドワーカーとして働くには特定分野での知識やノウハウとそれらに関するスキルの保有が重要です。具体的には以下のような職種で求められるスキル・資格などが挙げられます。

 

●IT関連

プログラミング、システム開発、ネットワーク管理、コミュニケーション、資料作成、プレゼンテーション 等

 

●デザイン系

ゲームデザイナー、WEBデザイナー、グラフィックデザイナー、イラストレーター、UI(ユーザーインターフェイス)/UX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナー等のスキル

 

●WEBビジネス関連

ホームページ制作、WEB管理、ネットショップ運営、ライティング・コピー、ブログ、アフィリエイト、動画制作、プラットフォームの制作・運営、WEBマーケティング 等

 

●工学関連

機械・電気・制御等の工学の知識・設計、CADを含む製図・GADモデリング、特許 等

 

●教育関連

英語等の外国語、外国人向け日本語教育、学習支援・受験対策、資格取得支援、eラーニングチューター、翻訳・通訳 等

 

●趣味関連

楽器演奏や絵画等の指導、手芸、園芸、茶道、生け花、料理、ダイエット、健康・体力増進などの指導

 

●経営支援関連

各種コンサルティング、市場調査・分析 等

 

●個人向けコンサルティング

ライフプランニング、金融商品・保険等の相談、就職・結婚の相談 等

 

●消費者向けサービス

家事代行、出張による整体・理容・修理 等

 

4-2 仕事で必要となるモノ・環境

 

ノマドワーカーが仕事を行う上で必要となるモノや環境などを紹介しましょう。

 

1)仕事の必需品

ノマドワーカー仕事の必需品

 

多くのノマドワーカーの場合、パソコンなどの機器のほかに通信関連機器が必要です。具体的には、以下のような機器等が挙げられます。

 

●ノートパソコン(PC)・タブレット及びスマホ

 

場所を変えながら働くノマドワーカーにはノートPCやタブレット端末は必需品です。電源が確保できにくいケースもあるため、バッテリーの容量が大きく長時間使用できるタイプが望ましいです。また、移動の負担を軽減するためには、コンパクト・軽量であることも重要になります。

 

CPUやメモリのスペックなどは仕事の内容や量に応じて低くなり過ぎないように注意しましょう。他には通信の利便性の点で、SIMフリー/LTE/5Gに対応したモバイルの検討も重要です。

 

たとえば、LTE対応のPCならSIMカードが利用できて、モバイルWi-Fiルーターを利用しないでもデータ通信ができるほか、格安SIMを使用すれば通信コストも低く抑えられます。

 

スマートフォンは、電話としての通信手段以上にメールやSNSでの利用のほか、情報収集などで便利です。ノマドワーカーの中には主な業務をスマホで済ます方も多いですが、そのためバッテリー容量が大きく、通信速度が早いスマホを選ぶことが重要になるでしょう。

 

なお、海外で活動するノマドワーカーの場合はSIMフリースマホが望ましいです。

 

●モバイルWi-Fiルーター

 

コワーキングスペースなどではWi-Fi環境が整っていますが、ほかの場所では公共のWi-Fiが利用できないことも多いため、LTE未対応のPCを利用しているならモバイルWi-Fiルーターも必需品になります。

 

また、公共のWi-Fiではセキュリティ面の不安もあるため、自分でWi-Fiルーターを確保しておくことは重要です。

 

●モバイルバッテリー、充電器や外付け機器

 

PC等の電源が切れると仕事は継続できなくなるため、モバイルバッテリーや充電器も携帯しなければなりません。市販のモバイルバッテリーの中には安価なものも販売されており、充電器として利用できるタイプは便利です。

 

また、データ保存のためにUSBメモリやHDDなども携帯しておくと安心でしょう。

 

●コミュニケーションツール

 

クライアントや協業者との連絡や作業において、クラウドシステム、WEB会議システムやチャットツールなどが必要です。具体的な機能としては、グループチャット、オンライン会議、ファイル共有機能、タスク・プロジェクト管理などになります。

 

ノマドワーカーのように一人で仕事を行う労働者にとってはこうしたコミュニケーションツールは必需品です。

 

2)働く場所

ノマドワーカー働く場所

 

ノマドワーカー等が利用している場所としては以下のようなところが挙げられます。

 

●コワーキングスペース

 

不特定多数の労働者等が仕事を行う共有のスペースであるコワーキングスペースはノマドワーカー等にとっても有益な場所です。様々なタイプのコワーキングスペースが存在しており、Wi-Fi環境が整っているほかコピーや会議室などが利用できるケースも多くあります。

 

また、フリーランスや起業家などがコワーキングスペースを利用しているため、人脈を広げクライアントや協業者の拡大に繋げるのにも有効です。

 

●カフェ・喫茶店等

 

一般的な喫茶店の場合ならごく短時間での業務に限られますが、都心の大きなカフェなら2時間程度の滞在は不可能ではありません。もちろん店によりますが、人出の少ない時間帯なら店側も許してくれるでしょう。

 

なお、都心の大きなカフェならWi-Fi環境も期待できますが、一般のカフェ・喫茶店等ではモバイルWi-Fiの携帯は重要です。

 

長時間の滞在を望むならインターネット・カフェが役立ちます。1千円~2千円といった費用は掛かりますが、人目を気にせず長時間仕事をしたい場合には役立ちます。

 

●ファーストフード店やファミレス等

 

ファーストフード店やファミレス等の利用は限られるでしょう。食事の時間帯で作業するのは適しておらず、特に長時間の利用は困難です。大手ハンバーガーチェーン等の早朝や深夜なら短時間の作業は可能でしょう。

 

●旅館・ホテル

 

旅行して旅館・ホテルに宿泊しながら仕事を続けるというノマドワーカーもいます。ただし、安価な施設の場合はWi-Fi環境になっていない所も多いため、モバイルWi-Fi等の準備は必要です。

 

なお、最近では月単位等・一定料金で住み放題となる宿泊施設を提供するサービスが登場してきました。そうしたサービスの中にはWi-Fi、家具、家電、キッチン等が設備された施設を提供してくれるところもあり、ノマドワーカー等には有効です。

 

●キャンプ場・キャンピングカー

 

アウトドアの生活を楽しみながら働きたいならキャンプ場を仕事場にするという選択肢もあります。また、そうした生活のためにキャンピングカーを利用すれば、移動の手段とともに労働場所にすることも可能です。

 

●公園等

 

晴れた日の日中などで気分転換に公園で仕事をするのも悪くないでしょう。キャンプ等へ頻繁にいけない場合などは公園といった野外スペースは有益です。ただし、セキュリティ面の対策には注意しましょう。

 

 

5 ノマドワーカーとしての成功とその実現に向けた取組み方

ノマドワーカーとしての成功とその実現に向けた取組み方

 

ノマドワーカー等の働き方を行うなら、将来に渡って有意義な生活を送れることが重要であり、そのために始めてからリタイアするまでの目標を明確にもち計画的に取組んでいくことが必要です。

 

 

5-1 ノマドワーカーの目標と実現するためのポイント

 

ノマドワーカー等が持つべき目標とそれを達成させるための重要点を確認しましょう。

 

1)ノマドワーカー等になってからの目標

 

厚生労働省の「在宅ワーカーと企業のマッチング好事例集」のP10には、「在宅ワークを始めた理由」で多い項目が以下のように示されています。

 

  • ・都合のいい時期、時間に働けるため 54.6%
  • ・スキルや趣味をいかした仕事をしたいため 40.8%
  • ・自分がやった分だけ報われ、働きがいがあるため 25.9%
  • ・自営で働きたかったため 16.8%
  • ・興味がある仕事だったから 16.6%
  • ・仕事の依頼があった、職場の人に勧められたため 16.3%
  • ・収入を増やすため 14.9%

 

このような理由でノマドワーカーとしてスタートする方も多いと考えられますが、その働き方を始めてからは以下のような目標を持つことが重要です。

 

  • ・できるだけ早く事業を安定させ自由な時間を楽しむ
  • ・早期に事業者を引退して趣味・旅行等を満喫する
  • ・自由な時間を確保しつつ事業を拡大させ会社を経営する
  • ・コアの事業を安定させつつ、複数の事業に挑戦(進出)する

 

フリーランスの場合、自分が決めたリタイアの時期まで働くことになりますが、その働き方は自分がどのような仕事と生活を送りたいかという内容(目標)に左右されます。

 

ノマドワークもそれに対応するための働き方の一つですが、その内容次第でノマドワーク自体のあり方もアレンジしなければなりません。たとえば、開始直後はコア事業(複数でもOK)を軌道に乗せ生活を安定させる、ことが目標になるはずです。

 

次は自由な時間を確保して趣味・旅行等を楽しめる状況にする、さらに次は将来設計(ライフプラン)に合わせて事業を拡大させ収入を増やす、事業の拡大に伴い会社設立による法人化も検討する、最終的には適切な時期にリタイアすることなどが目標になるでしょう。

 

ノマドワーカー等になる前の目的及び当初の目標を実現・達成することは重要ですが、労働者としての人生はそれ以降も長く続きます。そのため開始後からの将来に向けた目標と計画がないと、成行きで仕事を行うフリーランスになりかねません。

 

ノマドワーカー等としての目標や将来設計は各人で異なりますが、リタイアするまでのその働き方や業務のあり方などを各ライフステージに応じた内容に合わせて行うことが重要です。

 

2)ノマドワーカーの成功のポイント

 

ノマドワーカーの成功を仕事と趣味・プライベートな時間の充実・両立とした場合、成功のポイントは第一に「仕事量の確保・安定・拡大」、第二に「自由な時間の充実」を達成できるかどうか、にかかってきます。

 

●仕事量の確保・安定・拡大

 

以下のような点が重要です。

 

・仕事の獲得

 

仕事を獲得するためには、まず自分が可能な仕事を探す必要がありますが、一般的には以下のような方法が取られています。

 

ⅰ 求人に応募する

 

新聞・チラシの求人広告のほか、現在ではインターネット上の求人サイトなどに掲載されている求人情報の利用が有効です。

 

ⅱ 知り合いの企業等から仕事を受ける

 

友人・知人のほか会社員時代の勤務先や関係会社などから仕事を受けるケースが多く見られます。仕事を受けやすくするためには、会社員時代から彼らとの関係を良好に保つとともに、人脈を広げる活動(セミナーや異業種交流会等への参加など)にも取り組むことが必要です。

 

ⅲ 仲介事業者から仕事を受ける

 

仲介事業者は企業から仕事を請け負い、その仕事に対応できる登録フリーランスへ発注するという事業を行っています。従って、フリーランスは仲介事業者の会員等になり対応できる業務内容を登録しておけば、事業者から仕事を紹介してもらえるわけです。

 

ⅳ クラウドソーシング(サイト)で受注する

 

web上で発注者とフリーランスをマッチングさせるクラウドソーシングサイトを利用するのも仕事の獲得に役立ちます。紹介案件の多さ、検収・支払い等の信頼性、受注システムの操作性や利便性などを考慮して複数のサイトに登録するのが一般的です。

 

ただし、そうしたサイトに登録して応募するだけでは受注できないため、新規案件を頻繁に確認し比較的難易度の低い案件などを受注して多くの実績を早めに積むことがその後の事業の拡大に繋がります。

 

・スキルアップや新規スキルの獲得

 

仕事量を安定させ、拡大させていくためには、業務の質を高めて競争力を強化したり、複数の事業を展開したりすることが有効です。そのためには既存のスキルの質を向上させるほか、新たなスキルを獲得していくことが必要になります。

 

WEBプログラミングの仕事のほかにWEBデザインの仕事も加えていくといった方法で仕事の幅を広げ、事業としての可能性を大きくしていくことは将来的にも有益です。

 

・クライアントやパートナー等の人脈の拡大

 

複数のクライアントや仲介業事者などから一定の仕事を獲得できるようになれば、事業は安定し更なる成長の基盤を作ることができます。また、同じ業務や関連する業務を協力してくれるパートナーが増えるほど、仕事量を増やし高度な仕事への対応が可能となり新規案件の受注も増えやすいです。

 

こうした状況を作っていくためには、既存の仕事の中で関係者と良好な関係を築き維持するとともに様々な研修や交流会などへ参加し人脈を広げる取組が求められます。

 

・自己アピール

 

フリーランスが仕事の確保を容易にしていくためには、クライアント等から仕事を依頼してくれるように促す自己アピール・宣伝等が必要です。つまり、仕事が向こうから勝手にやってくる、といった状態することが望まれます。

 

そのためにはフリーランスとしての自分自身を多くのクライアント等に認知してもらい、自分の資質、能力や実績などを評価してもらうことが不可欠です。具体的には自分のホームページ、ブログ、Twitterや動画チャネルなどでそうした情報を発信する行為が求められます。

 

●自由な時間の充実

 

自由な時間を確保し趣味や家庭での生活をより有意義にするための方法として、以下のような点が重要です。

 

・仕事量の計画的な配分

 

ノマドワーカー等になった当初は仕事量を安定させるために、無理に複数の仕事を請け負うケースが見られますが、仕事を多く抱えすぎると対応が困難になるほか仕事の質が低下し次の仕事の受注にも影響しかねません。

 

また、そうした能力を超えるような仕事量では当然、プライベートな時間を犠牲にすることになり、趣味等を楽しみながら働くという構想はとん挫する恐れも生じます。

 

独立した直後の一定期間においては、多少の長時間労働もやむを得ないですが、段階的など計画的に仕事量を適正にすることが不可欠です。

 

・フレキシブルな生活設計

 

ノマドワーカー等が家庭を持つことになれば、そのライフステージごとに様々なイベントに直面し仕事にも影響する可能性が生じます。たとえば、子供が生まれれば働く場所を転々と移して暮らすというスタイルを維持するのは容易ではないでしょう。

 

また、配偶者の仕事や成長した子供の教育などもあり、頻繁に移動して生活するのは厳しくなります。そのため移動は週末や連休などに実施するといったスタイルに変更する柔軟さは必要です。

 

 

5-2 会社設立等のゴールに向けた進み方

会社設立等のゴールに向けた進み方

 

ノマドワーカー等になってからの目標の一つとして事業の拡大を掲げると、いずれ会社設立の必要性に直面する可能性が生じます。ここでは会社設立の必要性やそのための進め方などを確認しましょう。

 

1)明確な目標設定

 

ノマドワーカー等として失敗しないためには、成行で仕事やプライベートな時間を過ごすのではなく、明確な目標を定めてそれを実現できるように活動することが不可欠です。

 

できれば、どのようにリタイアしていくか、までの各ライフステージに対応できるゴールを設定することが望まれます。会社員と違ってノマドワーカー等には定年退職がなく働く意志と体力があればかなりの老齢まで仕事を続けることは可能です。

 

しかし、より重要なのはいつまで働くということ以上に仕事を含めてどのような充実した人生を送るかという点であり、ライフスタイルの中身の充実度が重要になります。

 

収入を増やす、やりたい仕事に取組みたい、趣味や旅行などを楽しみたい、家族と一緒にいる時間を大切にしたい、海外で働いてみたいなどの目的を実現するにあたり、仕事及び家庭との両立が図れるバランスの取れた働き方を目標とすることが重要です。

 

2)仕事の確保

 

ノマドワーカー等として働き続けるには、自身で仕事を確保し続けねばなりません。そのためには様々な募集に応募する、仲介事業者やクラウドソーシングサービスなどに登録する、人脈を広げる、自己アピールする、といった取組が必要です。

 

つまり、自ら仕事を受注するための受注活動や営業活動等を行わねばなりません。こうした活動を苦手とする人も少なくないでしょうが、苦手だからといって積極的に取組まないと仕事を維持拡大するのが難しくなります。

 

一定量の仕事の確保や安定は、プライベートな時間を充実させるための資金の確保にも繋がるため、少しずつでも仕事の確保に向けた活動を進めてゆき、ルーチン化することが望ましいです。

 

営業やマーケティング等の業務に従事したことのない人でも、クライアントや様々な関係者と交流を持つことで、人脈も少しずつ広がり営業活動も苦にならなくなっていくため、最初から諦めず地道に取組みましょう。

 

3)事業の拡大と会社設立

 

生活を安定させ有意義なプライベートな時間を過ごすためには収入の増大が必要となりますが、そのためには事業を拡大させねばなりません。一般的には既存事業の範囲を拡大させたり、別の複数の事業に新たに取組んだりするというケースが多いです。

 

たとえば、ライターの場合、ショッピングや旅行などのカテゴリに加えて、料理・園芸・スポーツ等の趣味の分野、資産運用・投資関連分野、IT関連分野やビジネス関連分野、などのカテゴリへと広げる方法はよく見られます。

 

また、ライター業務だけでなく、WEBサイトの構築支援といった新業務に進出するケースも多いです。

 

こうした事業の拡大で収入が増えると税負担が重くなるため節税も必要となりますが、その対策1つとして会社設立(法人化)も有効になります。また、法人化はビジネスを拡大させるにも有効です。しかし、社員を多く雇用すると仕事量の確保や管理の負担等が増大するため、経営者の負担も重くなります。

 

そのため会社を経営する場合、自分のプライベートな時間が大幅に減少する可能性があり、それを回避する対策が必要になります。社員を雇わず1人の会社や小人数の会社を運営すれば、法人化以前のライフスタイルを維持することは比較的容易です。

 

会社経営の面白さ、会社経営に伴う管理の手間、税負担の軽減、プライベートな時間の充実、家族への配慮、ノマドワーカーとしての目標など様々な要素を考え、自分にとっての法人化のメリット・デメリットも考慮し、その実施を検討しましょう。

 

4)自分にとっての最適なリタイア

 

最後はどのようにリタイアするかを決め、それに向けたステップを踏んでいくことが重要です。会社員なら定年退職で会社を去り退職金や年金などをもとに老後の新たな生活に進んで行きますが、ノマドワーカー等には定年退職はありません。

 

従って、彼らは自分が仕事をいつ辞めるかについて自分の状況や希望等に基づいて判断することになります。仕事を生きがいの一つとするなら体が動く限り働くという選択肢も良いでしょう。

 

もちろん、少しでも早くから趣味等に没頭したい、新たな生活を試してみたい、という考えがあるなら、家庭の事情や金銭的な制約等に影響されない場合はリタイアの時期を早めに設定する(アーリー・リタイア)のも有効です。

 

 

6 まとめ

ノマドワーカーのような働き方

 

働き方改革の推進やコロナ禍の影響などにより、労働者が会社員以外の多様な働き方を選べる時代になってきました。在宅ワークやノマドワークなどを希望する人が増加し、仕事と家事の両立、趣味や旅行等を楽しむ生活の実現などを目的とした働き方が重視されるようなってきました。

 

こうした新たな働き方には魅力も多いですが、生活が不安定になる、仕事の確保が容易でないなどのデメリットもあるため、明確な目標を持ち事業の安定・拡大に努めることも求められます。

 

それでもノマドワーカーのような働き方は、生活をより豊かにする可能性があるため、そうした働き方の一部でも取入れることを一度検討してみてください。


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